出会った頃のお話を ページ19
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＿＿＿2013年、年明け
「…あれ？」
この時間だから、空いていると思ってたのに。
深夜2時に訪れた練習室には、ほのかに明かりが灯っていた。
キュッ、キュッ、と 練習靴が擦れる音。
激しい息と曇った鏡。
彼のまだぎこちない一挙手一投足、だけど真剣な眼差しにはついいつも見惚れてしまう。
私は微笑みながら練習室の扉を開けた。
「テヨンア、またこんな時間までやってる(笑)」
TY「……！あ、お、お疲れ様…です…」
ビクッと大きく肩を震わせ、自分のダンスを隠すかのように身を縮こまらせるテヨン。
すぐにイヤホンを外し、緊張した面持ちで私に体を向けた。
そんな彼の緊張をほぐしたくて、鞄の中に何かおやつは無いかとガサゴソ探していると、テヨンはおずおずと声をあげた。
TY「…使い…ます、よね。すみません、すぐに空けます。ごめんなさい」
「え？ううん、いいの！他の練習室探してみるから。それより、」
TY「いや僕が出ます、先輩に譲らないなんて……え？」
「これあげる！こんな時間まで頑張って偉いね、お疲れ様」
鞄の中にあった、まだ開けていなかった干し芋のパック。テヨンが好きかどうかは分からないけど、炭水化物だしエネルギーといい小腹満たしになるかなと思って差し出した。
テヨンは大きな瞳をさらに真ん丸にする。
一瞬呆気に取られたのち、ぶんぶんと首を振るんだ。
TY「いやっ…も、もらえないです。こんな、恐れ多い…」
「…たかが一個しか年齢変わらないのにそんなにかしこまらないでよ。テヨンア、干し芋嫌い？」
TY「…だって、キャリアが全然違うから。…干し芋は、大好物ですけど…」
「ほんと！？なら食べて食べて！お腹空いたでしょ、こんなに鏡曇って…ずっと練習してたんじゃない」
TY「……んで」
「え？」
TY「…なんで……」
テヨンは俯く。
そっと差し出された手は干し芋を受け取ってくれたけど、その表情は暗い。
この子、いっつも笑わないんだ。
数ヶ月前、うちの会社に入ってきた新人の練習生。
高校2年生、もうすぐ3年生になる男の子。
TY「…なんで、あなたみたいな人が、こんな歌もダンスも出来損ないの俺に…気遣って、優しくしてくれるんですか。いつも……」
それだけ言うと、唇を噛み締めてさらに俯く。
…そんなに下見たらいつか床と頭くっついちゃうよ。
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れいら(プロフ) - りさこさん» 動き出しました…！！果たして20までにクライマックスに辿り着けるか怪しいところではありますが😂最後までドキドキしながら見て頂けるよう頑張りたいと思います！コメントありがとうございます！！ (2021年9月30日 19時) (
レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
りさこ(プロフ) - 少しずつ動き出しましたね…！これからクライマックスがどうなっていくか楽しみです！最後はみんなが笑っていますように！！テオちゃんが脱退する未来なんて見たくないです😭 (2021年9月29日 1時) (レス) id: ee497d0949 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - ひかるんさん» 本当でした！😱ご指摘ありがとうございます！🙇🏻♀️ (2021年9月25日 2時) (レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
ひかるん(プロフ) - ソンチャンとショウタロウの絵文字逆になってますよ〜 (2021年9月25日 2時) (レス) id: b91485c027 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - りさこさん» コメントありがとうございます！本当は実際にいるメンバー分だけにしようと思ってたんですけど、我慢できず入れちゃいました😂そんな風に仰って頂けて作者としてはとても嬉しいです…！これからもイジられていく予定なので宜しくお願いします！笑 (2021年9月23日 3時) (レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2021年9月23日 1時
