・ ページ33
.
HD side
〈見て見て、すごくいい写真撮れたよ。…もう色気むんむん。あのヘンドリーが、女の子をだめにする男になっちゃったって感じ(笑)〉
HD〈そんなに?(笑)〉
〈うん!あとでデータ移したらヘンドリーに送るね。きっと自分でもびっくりすると思う。…ヘンドリーってこんな表情するんだね…〉
HD〈…そんな表情させたのはAヌナだよ。俺どんどん気持ち乗ってっちゃったから(笑)〉
〈ふふっ、そう?〉
ヌナは撮った写真を眺め、微笑みながら俺の隣に腰を下ろす。
ギシ、というベッドの音に何故か敏感になってる俺。
そっと画面を覗き込んでみれば、
…確かにこんな雰囲気で、こんな表示をしてる俺は見たことがない、と唸ってしまうような写真が撮れていた。
〈…ねえ、ヘンドリー〉
HD〈うん?〉
ふとAヌナが俺に振り向く。
まるで鼻先が触れそうな距離だ。
自然と体に力が入る。
なのに、こんな時に限って
Aヌナはまだ余裕そうに微笑むんだ。
…絶対敵わない女性、そんな雰囲気を感じる。
しきりに胸が高鳴るのは、彼女の魅力に呑み込まれそうになったからか。
ヌナはブロンドの髪を肩から払うと、
俺の頬にそっと手を当てた。
〈…もう少し続けようか?〉
HD〈っ…〉
〈リップよれてる、〉
手のひらから、じんわり伝わる体温。
Aヌナは小さな声で囁くと、
親指で俺の唇に触れた。
…マジでしんどい。
こんな俺でも理性保つのに必死だ。
だけどきっとこれもヌナの戦略。
どんな表情が俺から生まれるのか、きっと待ち侘びてるに違いない。
挑発するような空気がいじらしくて、だけどこんな風に共感する瞬間が心地いい。
俺は彼女の白くて小さな手を握り返す。
ヌナはすかさずカメラを構えた。
HD〈…じゃあ、日が暮れるまで、しちゃおうか〉
俺の言葉に、ヌナは恍惚の微笑みで応える。
スパイシーで華やぐCHANELの香りが、俺の鼻腔に触れる。
俺は目を伏せて、その白い手の甲に口づけを落とすと
また芳醇な時間の始まりを告げるシャッターの音が鳴り響いた。
.
1326人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れいら(プロフ) - hanaさん» ジェミンのターンヤッカン早めに終わってしまいました…() ただジェミンくん関連のリクエスト沢山頂いたのでまだまだお楽しみ頂けると思います!! もちろんパーカーは私もあのパーカーを思い浮かべて書きました(*´-`) (2021年9月2日 15時) (レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
hana(プロフ) - わああああああ!これはジェミン編なんですか!?そうなんですか!?もうミント色とかあのパーカーしか浮かびませんが笑笑ジェミナ!ファイティン! (2021年9月2日 0時) (レス) id: a8c9f227dd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:れいら | 作成日時:2021年9月1日 16時