・ ページ12
.
ジェミンの腕から離れ、ベンチから立ち上がる。
もう一度だけ目を拭って、視界はすっきりと晴れた。
だけどその温もりから放たれた途端に、夜風の冷たさをありありと感じる。
寒、と思わずまた口にしながらも
ジェミンに振り向いて、私は微笑んだ。
「ジェミナ、…本当にありがとう。様子変だなって気付いてくれたのも、話聞こうとしてくれたのも、…抱きしめてくれたのも…」
JM「…お礼なんて言わないで。いつだってAちゃんのことは俺が…」
ジェミンは私の目の前に立つと、私の頭に手を置いた。
私でも分かるくらいに、愛情に溢れた眼差し。
その優しい笑顔が、またこの胸を疼かせる。
JM「…何があっても、俺が守るから」
「……！」
JM「ずっとそばにいて、ふざけてもいいし、変な気持ちにさせることだって出来るし、」
「…ぷっ、あははっ…」
JM「お料理も沢山作るし、マッサージもするよ。夜中もずっと話聞いてあげる。もういいよ、ってくらいそばにいてあげるし、」
ジェミンは何かを言いかけると、
ふと思い出したように一瞬口を閉ざして
おもむろに着ていたミント色のパーカーを脱いだ。
私が驚いているうちに、無邪気に笑った彼は
そのパーカーをすっぽり私に被せて
乱れた私の前髪を、微笑みながら撫でる。
一瞬にして、ジェミンの温もりと香りに包まれる。
JM「…寒い時は、こうして暖めてあげる。ずっと暖めて、抱きしめてあげる」
JM「だから、忘れないで。…Aちゃんはひとりじゃないよ。一人に、させないよ」
「…ジェミナ、…」
JM「俺が、俺たちが、絶対そんなことさせない。これから何があっても、絶対にAちゃんはひとりじゃない。それだけ…忘れないで」
「…っ、……」
彼の言葉に、せっかく渇いた涙がまたじんわりと目頭に込み上げるような気がして
思わずフードを被れば、またジェミンの香りがする。
…この体の全てで、ジェミンを感じているようだ。
ジェミンは少し腰を屈めて、私と目線の高さを合わせると
知らぬ間に頬を伝っていた涙を、親指で優しく拭って
甘く、やさしく、微笑んだ。
JM「…大丈夫。いつでも俺がいるから」
JM「ね？…Aちゃん、こっち向いて」
JM「ずっとずっと、……愛してる」
JM「…愛してるよ。大好き…」
…ジェミンの腕の中で
私はそっと目を閉じながら
胸の高鳴りを、確かに感じていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1326人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れいら(プロフ) - hanaさん» ジェミンのターンヤッカン早めに終わってしまいました…（） ただジェミンくん関連のリクエスト沢山頂いたのでまだまだお楽しみ頂けると思います!! もちろんパーカーは私もあのパーカーを思い浮かべて書きました(*´-`) (2021年9月2日 15時) (
レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
hana(プロフ) - わああああああ！これはジェミン編なんですか！？そうなんですか！？もうミント色とかあのパーカーしか浮かびませんが笑笑ジェミナ！ファイティン！ (2021年9月2日 0時) (レス) id: a8c9f227dd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れいら
| 作成日時：2021年9月1日 16時
