・ ページ41
.
“お前を絶対一人にさせない”
“俺が必ず守るから”
…ルハンは、よくそんなことを言ってくれる。
私を守るように私の隣に立って、だけど私には意地悪に笑うような、そんな彼だ。
きっと知らず知らずのうちに、私の肩を抱く手に力がこもっていることにも気付いていないだろう。
勘違いするんだ。
私はルハンの特別なんだって。
だからちょっといい気になるの。
あんなにみんながときめいて、憧れてるルハンの隣に、私がずっと居られることに。
…でも、それってバカみたいって
なんだか今、ルハンの言葉を聞いて感じてしまった。
ルハンが私を守ってくれるのは、特別な“仲間”として私を見てくれているからだ。
私本人に興味があるんじゃない。
きっと私の伸びしろとかに期待して、その成長を守ってくれてるんだ。
…それだけでも、とても嬉しいことのはずなのに
私が彼に本当に見てほしいところは、そこじゃない。
それってわがままなのかな。
…わがままだ。
醜いわがまま。
こんな思いをルハンに知られたら、きっとがっかりされる。
ルハンは私を妹としてしか見ていない。
…ああ、なんだか
夢から醒めたような気分だ。
ちょっと浮かれていたのかも。
またルハンが私を助けてくれたからって、
夢と現実の区別がついていなかったんだよ。
こんなことを中国の言い伝えでは
“胡蝶の夢”と言うって
…ルハンに教えてもらったことがある。
「…そっか。ありがとう」
LH「…」
「……、」
LH「…え？ちょ、」
「あっ……」
…バカだ、私。
なんで泣いてるのよ。
気付いた時にはやっぱりもう遅い。
いつの間にか込み上げていた涙が、ぽろりとこぼれ落ちて床に跳ねる。
私は咄嗟にルハンから離れて、目を拭った。
LH「A…！どうしたんだよ、」
「っ、なんでもない、ごめん…」
LH「…俺何か変なこと言った？」
「ううん、なんもない…から、っ…！」
目をごしごし擦り、ルハンに背を向けて荷物を置いてある場所に向かう。
今日はもうこれ以上ルハンと一緒にいられない。
ルハンの「待てよ」という声が、その足音が後ろから聞こえてくる。
…そんな風に呼び止めるなら、思わせぶりな態度取らないでよ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1298人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なおてぃん(プロフ) - れいらさん» お返事ありがとうございます！！このお話まだまだ楽しみたいです！！長くなっても読み続けます^ ^笑 悠太くん大活躍のストーリー首を長くして待ってます♪ (2021年9月1日 21時) (
レス) id: 600e5004d6 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - なおてぃんさん» コメントありがとうございます！仰る通りストーリーをそろそろラストに持っていこうとしてるのですが、思ったより長くなってしまいそうな気がします…笑 悠太くん大活躍のストーリー温めてるのでお楽しみになさっていてください！(^^)♪ (2021年9月1日 16時) (レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - hanaさん» コメントありがとうございます！フンハン凄く懐かしいです…！Wolfのラストは絶対フンハンですよね（ ; ; ）主人公とルハンへの感想もとっても嬉しいです！！ありがとうございます（ ; ; ）これからのジェミンの活躍に乞うご期待です…！！ (2021年9月1日 16時) (レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - mさん» わああ！そのこだわりに気付いていただけましたか…！（ ; ; ）すごく嬉しいです!!笑 そのような感想を頂ける時はとっても励みになります！本当にありがとうございます！ジェヒョンのストーリーも用意しているので、ぜひ楽しみにして頂けたらと思います！(^^) (2021年9月1日 16時) (レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - 矮楼さん» コメントありがとうございます!!ルハン編にそのような感想を頂けて嬉しいです（ ; ; ）これからもお楽しみ頂けるように頑張りますね!!暖かい応援ありがとうございます♪ (2021年9月1日 16時) (レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れいら
| 作成日時：2021年8月26日 1時
