・ ページ9
.
JM「…でも、そろそろ冷えてきたね。風邪ひいちゃうから中に戻ろうか」
大きな手で、ゆっくり私の頭を撫でる。
これじゃまるで私が年下みたい。
些細な仕草でさえも、彼がもうただの弟じゃないことを物語ってる。
ジェミンは立ち上がると、立てる？と私に手を差し伸べる。
躊躇う素振りも見せずに彼の手を握った私は、きっとどうかしてる。
…ううん、どうもしてないよ。
そんないい加減な言葉で、誤魔化してばっかりじゃだめだ。
ジェミンはこんなに真っ直ぐ向き合ってくれてるのに、って
彼の顔を見上げた瞬間
彼と瞳が視線が重なって、時が止まる。
JM「……ねえ、ひとつだけ。聞かせて」
「…え？」
JM「…Aちゃんは、俺のこと、まだ弟だと思ってる？」
少し不安そうなその顔。
彼もやっぱり、そのことが気にかかるんだろう。
だって、私たちの関係を形作ってきたのは、紛れもなく姉と弟と形容された絆のようなものだから。
だけど今となっては、私はこう答えることしかできない。
ジェミンの顔を見上げて、
…微笑むけど、一体どんなふうに笑っているんだろう。
「…大切な、弟」
JM「…」
「…だけど、もう立派な男の人」
JM「…！」
「…二人でいると、余計にそう思っちゃう」
JM「…そっか。……ふふ、そうだったんだ…」
…こういう時は、素直に嬉しそうに笑うんだね。
幼い頃から変わらない、彼の無邪気な人柄が愛おしい。
思わずいつもの癖で、頭を撫でてあげたくなったから
少し背伸びして手を伸ばしたんだ
そしたら、その瞬間
ジェミンはしっかりと私の手を取って
…指を、絡めて
JM「…俺もそうだよ。尊敬してる、大切なお姉さん」
JM「……だけど、二人きりの時は、可愛くてたまらないんだ」
JM「あなたをもっと、守りたい。幸せにしたい…」
踵を下ろした私の腰に、彼が手を当てて
顎を指で優しく上向かせられれば
もう、ジェミンの甘い微笑みしか見えない。
JM「…Aちゃん」
JM「……キス、して？」
…ああ、また
少し意地悪な表情をした。
私が何か返事を言う前に、
ジェミンの前髪が揺れた。
***
リクエストで頂いたのは主人公がジェミンに甘える展開だったのですが、甘え要素も若干入れつつこんな感じになりました…！！笑
最後2人がどうなったかは、皆さんのご想像にお任せ致します♡
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1283人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れいら(プロフ) - SFさん» この展開はジェミンが黙ってないですね、、！！笑 そんなそんな、天才だなんて恐れ多いです汗 ですがこれからも楽しんで頂けるように頑張りますね！暖かい応援ありがとうございます！^^ (2021年8月23日 0時) (
レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
SF(プロフ) - 負けるなジェミン、、、と言う謎感情発動してます笑笑笑笑毎回本当に楽しんで読んでおります！そして、繊細な心理描写に毎回脱帽しております、、天才、、、、 (2021年8月22日 2時) (レス) id: 3dff394c60 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - SFさん» コメントありがとうございます！…開いてると思います！！（） こちらこそ暖かい応援をありがとうございます！^^ (2021年8月16日 9時) (レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
SF(プロフ) - ついに、、、来た、、、、パンドラの箱は開くのか、、？？？？という気持ちでワクワク楽しんでおります。いつもお話しありがとうございます！ (2021年8月15日 0時) (レス) id: 3dff394c60 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れいら
| 作成日時：2021年8月14日 15時
