Crossed Destiny (ページ44)

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◆覚悟ページ44

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目的地に向かって、引き金を引く。
アンカーが発射されたらすぐにワイヤが巻き取られるから、全身の力を抜き重力に体をしならせる。スムーズな機動を行うためには腕の筋力が何よりも必要。

…そんなふうに、叩き込まれた。
あの地獄のような訓練所での経験も、少しは役に立ってるみたいね。

CL「ヌナ！」

「お待たせ」

ジェミンのバイクから一気にアパートの屋上まで飛び、雨で濡れた瞼を拭う。

サブマシンガンを二丁構えたチョンロはほっとした様子だった。気を抜くな、と声をかければ不満そうな顔をする。私もつい笑ってしまった。

階下の様子を確認すれば、Aさんが悲鳴をあげながらもなんとかジェミンに回収された様子で、法定速度をゆうに超えバイクは現場を走り去っていく。

私は微笑み、目の前の相手を見据えた。

「まんまと逃げられたわね、ヤンヤン」

YY「…想定済みだよ。既に“赤鬼(チュグゥェイ)”を追っ手に向かわせてる」

あの女を殺せばすぐに終わる話だ、と
青龍刀を背に構えながら、土砂降りの中でヤンヤンは笑っている。

その不気味な笑顔、蛇のような目は、私を捉えていた。

屋上には続々と全身黒装束の構成員が到着する。
黄龍会でも最大派閥の傘下組織を持つヤンヤンのことだ。
戦闘を長引かせれば長引かせるほど、ジリ貧になるだけ。

互いに睨み合う中、私の背後にはマークとチソン、ロンジュンが合流したようだった。

…ふん、戦力は歴然の差ね。

ヤンヤンの目的はあの子じゃない。あたしたちをここで叩き潰すこと。

「いいわ…相手してあげる」

YY「ははっ、この戦力差で勝てると思うか？おまえはもう終わりだよ、この…裏切り者が！」

「勘違いしないでほしいんだけど」

YY「は？」

「私にどんな姑息な手段を使っても、あなたが私に勝てたことなんて無かった」

YY「…！」

「でかい口は、せめて私に掠り傷一つでも負わせてから叩きなさい。馬鹿野郎」

YY「このっ…！」

CL「…煽りすぎじゃない？」

RJ「しょうがない、ヌナは喧嘩大好きな戦闘狂なんだから…」

MK「これは…厳しい戦いになりそうだな」

JS「雨…寒い…」

ヤンヤンは青龍刀を私の喉元に突き付けるように構える。

その憎悪に満ちた目。
…どんどん人相が悪くなっていく彼が、虚しい。

私は微笑んだ。

YY「ぶっ殺してやるよ！！」

「来なさい！」

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