Crossed Destiny (ページ43)

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MK side

俺たちが走るすぐ後ろに奴らの銃弾が迫る中、俺はシャツの下に仕込んでいたピストルに手を掛けつつ、イヤホンを装着する。

「マーク、どこに向かえば…！？」

MK「こちら“82”！応答せよ！」

『ヒョン！西側の窓に走って！』

「A、左だ！左の窓まで走れ！！」

良かった、彼らは無事みたいだ。
指示通り廊下の窓まで走る。

すると人影が窓をぶち破って、こちら側に吹っ飛んできた。Aの悲鳴が廊下に響き渡るなか、俺は彼女の肩を強く抱く。

いってぇ、と唸り声をあげながらも俺を見上げた彼に、俺は頷いた。

MK「ありがとう、チソンア！」

JS「外でロンジュニヒョンが待ってる、3階のバルコニーに身を隠して！」

MK「おう！」

「な、なに…！？怪我してないですか！？あ、血が…」

JS「ふふっ、気遣ってくれてありがとう、おねーさん」

「っ……」

MK「ときめいてる場合じゃないよA！」

まったく。

そうだ、と我に返ったAは、チソンが破った窓に向かって走り出す。なおも外からは銃声や、何も知らない住民の悲鳴が混じり合う悲惨な音が聞こえてきた。

窓から身を乗り出して見上げると、すぐそこにロンジュンが手を差し伸べて待っていた。どうやら上に小さなバルコニーがあるらしく、ワイヤ一本で体を支えているロンジュンは苦悶の表情を浮かべていた。

MK「おいロンジュナ、腕震えてるぞ」

RJ「くっそ～、俺は武闘派じゃなくて頭脳派なのに～！！」

MK「へへっ、あとちょっと頑張れよ。A、彼の手を握って！」

「うんっ、…きゃああっ！？」

ロンジュンに腕を引かれ、3階へ上昇していくAの体を支える。バルコニーに身を隠したのを確認し、ひと安心。…ロンジュンに任せて、あとは迎えが来るまで俺たちが時間稼ぎをすれば大丈夫。

時を同じくし、Aの部屋から構成員が雪崩れ込むようにやって来た。チソンと共に敵方の足を狙いながら銃撃戦を交わす。

敵をあらかた片付けたと思ったら、次は外からAの大きな悲鳴が聞こえてきた。思わず振り返り外の様子を確認すると、3階から丸腰のAが降ってきて。

下を見てみれば、Aをしっかり抱きとめるバイクの男の姿。そして、フックショットを屋上に向けて発射し、猛スピードで移動するAヌナの姿があった。

俺は微笑み、屋上に続く非常階段に向かって駆け出す。

…ジェミン、Aを頼んだぞ。

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