◆幸せ ページ35
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JW「…一気に言い過ぎたんじゃないの、Aヌナ」
「わーってるわよ、そんなの。あたしが一番」
JW「ふふっ、Aちゃん困惑してたな〜」
「…そうね」
ホテルのモーニング予約したから行こうよ、なんて
徹夜で作業したあとのジョンウからの誘い。
曲がりなりにも国内のトップモデルだと言うのに、彼は変装ひとつせずホテルのレストランへずんずん歩いて行った。
ソウルを一望出来る最上階のレストラン。
南山タワーと連なる山肌から、朝日が昇ってくるのが見える。
目の前でもりもりと食事を口に運ぶジョンウ。彼のそんな様子を見ていると、いくらか心が晴れるようだった。
結局あのあと、Aさんはマークの付き添いのもと自宅まで戻った。突然明かされた自らの生い立ち、黄龍会との関係にショックを受けただろう。
…だけど、彼女には受け入れてもらわなければならないこと。
JW「黄龍会はAちゃんを特定した。今後彼女を一人にするのは危険だね」
「大丈夫。既に護衛はつけてる」
JW「え、もう退院したの？まだ怪我は治ってないはずじゃ…」
「別の人間よ」
JW「…さっすが。抜かりないな、ほんと」
「じゃないと1000億なんて奪い返せないわよ」
JW「ふふっ、そうだね」
このあとはどうするの、僕の部屋で休んでく？
と、ジョンウは微笑みながら首を傾げる。
その厚意に大変甘えたいところだが、仕事は山積みだ。それに、この組織に身を置いてからは休むことなど諦めた。
ふるふると首を横に振る。
改めて見つめたジョンウの表情は朝日に照らされて、透明な輝きを放っていた。
「ううん」
JW「…ここのところ働きすぎじゃない、Aヌナ」
「そんなことない」
JW「ちょっと休んでいきなって。ね？」
「…何よ。強引ね」
JW「そうでもしなくちゃ休んでくれないから。あなたは」
にっこりと微笑む姿は愛らしいくせに、頑固だし、怪力だし。得意げなジョンウの様子に嘆息しつつ、私も微笑んだ。
整理しなければいけないデータがあったけど、昼を過ぎても…まあいいとしよう。
束の間の平穏な時間が、いかに尊いことか。
こんな瞬間にふと思う。
裏の世界に身を置いてから、一般的な幸せなど諦めたつもりだった。結局それが出来ていないのは、私の心の弱さ。
“Aちゃんの苦しみ、これで俺も半分背負えたかな”
そう笑っていた彼の姿を思い出す。
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cooky(プロフ) - 設定がすごく良く作り込まれている作品だと思います！続きも楽しみです！！:) (3月19日 1時) (
レス) @page49 id: 8d4c7960bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2024年3月18日 2時
