Crossed Destiny (ページ32)

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◆宿命と真実ページ32

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MK「話さなくちゃな。俺たちのこと」

武器に付いた返り血を拭きながら、マークたちの会話に耳を傾けていた。ふと彼からそんな言葉が聞こえてきて、私は振り向く。

マークを真っ直ぐに見上げている少女。まだあどけなく、端正な顔立ちをしているけれどどこか子どもっぽい。
栗色の髪はゆるく巻かれていて、ファッションも流行のガーリーなもの。…似ていると言えば、その病的なまでに白い肌だけか。

「そのことについては私が話すわ」

私の言葉に、皆が一斉に振り向く。
フックショットを拭きながら、私に視線を向けた彼女と見つめ合う。

…変な気分だ。何かが通じ合っているようで、気色悪い。

マークが、あの子の瞳には心を揺らすような力があると言っていたけれど、それは正しいかもしれない。まだ何も知らない純真無垢な心を宿しているからこそ、あんなにもピュアな瞳で他人を見つめられる。まるで相手を丸裸にするみたいに、だ。

この子も、あの親の被害者。

首に光るネックレスは、彼女を縛り付ける呪いの鎖。

「私はA」

「…！」

「この組織の一員よ。…同じ名前ね、Aさん」

あまり威圧的に見られるのもなんだから微笑んでみるけど、彼女は驚きの表情で硬直したままだった。近くに来てみれば、意外にも身長が低い。私が履いている厚底を抜きにしても、彼女は小柄みたいだ。

羽織っていたジャケットを脱ぎ、ヘチャンに放り投げる。不満そうな顔をしつつきちんとハンガーに掛けてくれるから、可愛いやつ。ついでに部下としても優秀。

「今日は危険な目に遭わせてごめんなさい。もっと早くあなたとは接触する予定だったんだけど、向こうが早く動いてしまってね」

「…あの、シャオジュンくんは…」

「…」

「シャオジュンくんは、無事ですか」

真っ直ぐな目で私を見つめている。
彼女にとって、シャオジュンは良き友人なのだろう。
例え自分を眠らせ、拉致しようとした相手だとしても。

その心の清さが、人を狂わせる。

「…あいつらは、私たちが打破しなくてはならない敵よ」

「…え？」

「Aさん、“黄龍会(こうりゅうかい)”という組織はご存じかしら」

「黄龍会……ああ、有名なヤクザですよね？たまにニュースで、逮捕されたとか抗争とかやってる」

「そう。…で、私たちの敵は、そこよ」

「…」

「少し話は長くなるわ。聞いてくれるわね？」

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