Crossed Destiny (ページ28)

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TY「まあ、まずは自己紹介をした方がいいな。ここに居ない構成員も居るけど。君のことを聞く前にまずは自分から名乗りを上げるべきだろ」

「は…はあ、」

TY「俺は普段、武器商人とお偉いさんのエージェントとかを、色々やってる。まあ、表の社会に出ることは無い。この組織自体がそもそも、表には出ないから…」

「えっと……じゃあ、ヤクザってことでしょうか…」

HC「違う！！…違くないけど、ちょっと違う！」

「はぁ？てか、そもそもなんで普通の大学生のあんたがここに…」

HC「まあ…普通じゃないからここにいんだよ」

「…、」

ヘチャンは椅子に座り直し、グラスに入った液体を飲み干す。
確かに、大学で見る明るくて無邪気なヘチャンよりも、今の少し荒んでいて怪しげな雰囲気を醸し出すヘチャンの方が、なんか…彼らしいと言うか。

私がヘチャンにずっと感じていた違和感の正体が分かった。
彼がこのアンダーグラウンドに生きているからこその、特有の陰が見えたからだ。

HC「俺はこのチームでもっぱらコンピューター専門なんだ。ハッキングみたいなサイバー攻撃が得意でさ、実はAの大学にもちょちょっと入試データ改竄して入ったんだよ」

「は！？あんた、不正に！？」

HC「これ周りに秘密な。…どうしてもAに近付く必要があったから、仕方なくだよ」

「私に…」

そうまでして、私のネックレスを狙っていたなんて。
私のネックレスに一体どれほどの価値があるのか。
…もう、自分のことが恐ろしくてたまらない。

私は何に巻き込まれているというのだろう。
どうして、こんなふうに追われる身になってしまったのだろう。

JO「俺はジャニ。テヨンの右腕みたいなもんだ。普段は江南のクラブや飲食店のオーナーをしてる。まあ、組織の資金繰り担当の一人って感じだよ。気軽にジャニって呼んでね」

YT「…俺はユウタ。江南は地下にでっけえ賭場があんだけど、いつもはそこに居る。今度連れてってやる」

「…はあ」

TI「僕はテイルです。闇医者やってるよー」

TY「あの、腕は確かなんだ。君の解毒とか、看病してくれたのも全部テイルヒョンなんだよ」

「は、はい…」

…ぺらぺらと、普段関わりの無い世界のことを言われましても。
地下の賭場とか、闇医者とか、フィクションの世界の産物だと思っていた。

私は目を真ん丸にして彼らの話に頷いてはいるけれど、理解なんて全く出来ていなかった。

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