Crossed Destiny (ページ27)

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「ヘチャナ…これ、どういうこと？ここはどこ、あんたたちは一体…」

TY「…それについては、俺から説明させてくれ」

バーカウンターの向こうに立っていた男性が、こちらへ歩み寄ってくる。私はまじまじと彼の顔を見つめ、顎が外れそうになった。…アニメから出てきたの、ってくらいに彼が美しかったから。

さっきから混乱のあまりいつ倒れてもおかしくない精神状態だ。
私は一体何に巻き込まれているというのだ。というか、シャオジュンくんは何処へ？

TY「さっきは…手荒な真似をしてすまなかった。俺たちの計画ではもっと穏便に君をここまで連れて来るはずだったんだけど…」

「え…？」

TY「覚えてる？さっき、君が連れの男に睡眠薬で眠らされたこと。食事の間、気分が悪くなって意識が遠のかなかった？」

「あ…」

…言われてみれば。

シャオジュンくんとの食事中、眠気というか倦怠感が襲ってきて、まともに立てなくなったなと思ったら、気付けばここに居た。

「じ、じゃあ、あなたが睡眠薬を…！？」

TY「違う違う、睡眠薬を仕込んだのは君が連れてた男だよ。彼は君を攫おうとしたんだ。何故なら君は狙われてるからね…かの組織に。そのネックレスともども」

「ネックレス…」

思わずヘチャンの方に振り向く。
ヘチャンはこの男性の言葉に、静かに頷いていた。

服の上からネックレスのチャームを握る。
私に、呪いのように巻きついて離れないネックレス。
これのせいで、私が狙われたということか。しかも、どうしてシャオジュンくんがそんなことを…。

TY「俺の名前はテヨン。君を助けに、そして協力を仰ぎに来た。ここは俺たちのアジトみたいなものさ。眠ってしまった君を救助して、ここまで連れてきたんだ」

「…」

TY「単刀直入に言う。君のネックレスが俺たちには必要なんだ。…このソウルの秩序を取り戻すため、そして俺たちの目的のために…」

テヨンさんは、真っ直ぐな目で私を見つめている。

だけど、どこか温度が通っていないその眼差し。
そこはかとない闇を宿す目は、ヘチャンのそれにそっくりだった。

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