Crossed Destiny (ページ25)

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XJ side

XJ「うっ…！」

激しく転倒した際に飛んで行ったダガーを手に取ろうとした瞬間、腕を踏みつけられる。容赦なくスパイクで腕を突き刺され悶絶するも束の間、今度はワイヤが巻き取られ後方へ勢いよく体が滑る。

その隙に、崩れたテーブルと椅子の残骸に当たった衝撃で、Aの体を手放してしまった。

XJ「くそ！！」

未だ視界は不明瞭だが、ワイヤが巻き取られる方向に向かいリボルバーを構える。ひと呼吸置き、裏切り者が確実に居るであろう方向に向け銃を撃った。

しかしその瞬間、俺の体が右方向に投げ出される。激しく壁に背中を打ち付け、意識が酩酊する。
まさか俺の動きを読んで、フックショットを投げたと言うのか。

…くそ、絶対に撃ち殺してやる。

瞼をこじ開け、微かな明かりを頼りに動きを追う。
やつらの身のこなしの素早さなら、すぐに標的を搾れる。

なおも一般客の悲鳴が響く店内で、まるで害虫のようにそそくさと動き回る敵。誰でもいい、一般人でもいい。この弾が当たればそれでいい。

銃を構え、眉を顰める。

しかしその瞬間、

XJ「っ……！！」

俺の喉元に突き付けられた、銀色。
店外から零れるわずかな明かりに反射し、怪しく光り輝く。

…何度も、この日本刀を見てきた。
瞬時に蘇る、テンヒョンと一騎打ちをしていたあの男の姿。

こいつは、テンヒョンの骨を叩き割った妖刀…。

TY「…命が惜しいか」

XJ「くっ…」

TY「ならば銃を捨てろ」

暗闇の中、目と鼻の先で俺を睨みつける漆黒の瞳。

その大きな瞳が放つ殺気に、息を呑む。

致命傷は与えられなくても、何処かには掠るはずだ。
いくら近接戦闘では刃物が速いとは言え、一発くらわせることは出来る。

トリガーに指を掛けた、その瞬間。

喧騒の中で鳴り響き、こちらへ向かってくるサイレンと赤い光。

目の前の男の目の色が変わった。

今だ、そう思い奴の脇腹に向けトリガーを引く。

しかし男は目にも止まらぬ速さで、刀の柄で俺のみぞおちに強烈な一発をお見舞いした。

俺が猛烈な痛みに吐きかけた一瞬で、男たちは退散していく。窓を割る音でまた悲鳴が起きる。暗闇の中で、フックショットから放たれるワイヤの音と、華麗な身のこなしで宙を舞う裏切り者の姿が見えた。

『シャオジュン！ここはずらかるぞ！』

XJ「…ああ！」

仲間の手を借り、窓から脱出する。

店の外にはもう、奴らの姿は無かった。

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