Crossed Destiny (ページ23)

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MK side

HC「本当にごめん、俺じゃAを…」

TY「泣き言を言ってる暇は無い、行こう！」

HC「っ…」

MK「ヘチャナ、武器持て」

顔面蒼白でヘチャンが事務所に戻ってきた瞬間、何が起きたのかを察した。テヨンイヒョンたちが素早く準備をする中で、ヘチャンは自分が彼女を止めきれなかったことに責任感を感じているようだが、そんな後悔に捕らわれている時間など俺たちには無い。

いつもの武器を装備し、足早にヒョンたちは駆け出していく。
俺は発破をかけるようにしてヘチャンの背を叩いた。

…警戒はしていたが、侵入を許したか。
結局彼女と再会する前に、やつらに先手を打たれた。そういった意味では、これは俺の失態でもある。とにかく、この失敗をリカバーするためにも、どのような手を使ってでも今は彼女を救い出すことに全力を賭すべきだ。

彼女を危険になど晒したくない。

あの笑顔が曇るところを、見たくなんかない。

逸る鼓動を抑え、呼吸を整えながら街を行く。少し離れて移動するAヌナを横目に見ると、彼女は端末で誰かと連絡を取っていた。その瞬間、俺は彼女の作戦を理解する。

時を同じくして、街の喧騒の中でテヨンイヒョンが俺たちに声を掛けた。

TY「とにかく時間を繋ぐぞ。人手は足りないが…」

YT「ああ。俺におまえに、ヘチャナ、マーク、Aヌナ…」

「ふん、それだけ居たら十分だわ」

Aヌナは涼しい顔をして、颯爽と先陣を切る。
夜も深くなってきたこの時間。街は賑わいを増し、異様な空気感に包まれている。

…あの子は無事だろうか。
今すぐに、あの朗らかな表情を見たかった。

程なくして中華料理屋に到着し、ヘチャンが何気ない客を装って店内へ偵察に入る。主目的は視認による店内の状況把握、それからあいつが開発した超小型ラジオコントロールカメラを店内に落としてくること。
少しして、ヘチャンが戻ってきた。俺たちは店を取り囲むようにして散り散りに立ちつつ、ヘチャンからの無線連絡を受ける。

HC『店内に客は7組。ターゲットは最奥の席に座って会計中だ、あと3分以内に店を出るだろう。Aはテーブルに突っ伏して昏睡してる。飲み物に薬でも混ぜられたんじゃないか』

MK「…！」

TY『マーク、店の正面はどうなってる？』

MK「…黒塗りのバンが遠くに一台見える。信号を一つ挟んでいる距離」

『時間が無いわね』

YT『行くか？』

『…ええ。行くわよ』

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