Crossed Destiny (ページ22)

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◇其の男ページ22

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「…なんてこと、言われたのよ。変なやつでしょ？」

XJ「はは…俺、なんかしたかな…」

よく考えたら、火鍋を食べるのは人生で初めてだった。

苦笑いするシャオジュンくんと釜の飯を共にする。
彼のころころ変わる表情に心が和んで、いつもより食事の時間を楽しく感じた。

結局、あのままヘチャンの制止を振り切ってここまで来てしまったけれど、彼の切羽詰まった表情がずっと心に残っていた。それに、シャオジュンくんが危険だなんて、どういうことなんだろう。

ヘチャンが何を考えているのか、私には分かりっこない。
あいつは本当に、なんの目的のために動いているのか。
…やっぱりヘチャンって不気味だ。

XJ「ヘチャンくんとはずっと友達なの？」

「ううん、大学入ってから知り合った友達だよ」

XJ「Aちゃんのこと、すごく気にしているような感じだったよね。前に見た時も…」

「ふふ、そうなの。あいつ、私にべったりくっついてくるから…」

XJ「好きなのかな、Aちゃんのこと」

「まさか。あいつが求めてるのは…私じゃなくて、」

ネックレスだよ、と言いかけて、口ごもる。
園長先生に言われた、ネックレスのことは誰にも言ってはいけないとの言葉を思い出したから。

言葉に詰まった私を不思議そうに見つめるシャオジュンくんに、誤魔化すように笑いかけた。

火鍋は普段食べ慣れないようなスパイスを沢山使っているから、強烈な匂いで酔いが回りやすいような気がする。シャオジュンくんの行きつけだという中華料理屋は内装が真紅や黄金で彩られていて、派手な装飾だからか目がちかちかする。

シャオジュンくんはとても話しやすい相手で、普段ジェミンやヘチャンみたいなのを相手にばっかりしているからこそ、珍しく私の方が盛り上がって会話をしていた。あまりの心地の良さに、慣れない中国のお酒も進んでしまって、火鍋を完食した頃には視界がゆらゆら揺れていた。

XJ「Aちゃん、大丈夫？お水飲んで」

「…ごめん、ちょっと飲みすぎちゃったかも」

XJ「遠慮しないで、外出て休もうか。お会計は俺がしておくね」

…ヘチャンのあの不可解な言動が、ずっと頭の中に残っていたから。それを振り切りたくて、こんな勢いで飲んでしまったのかもしれない。

シャオジュンくんがお会計をしてくれている間、私は倦怠感に耐えきれず、机に項垂れて眠ってしまった。

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