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畜生、“いい子”なんてくそくらえ
…と、そう吐き捨てた。
胸が苦しくて、だけどずっと喉につっかえていたしこりのような物が取れた気がした。
隣に座る彼は、静かに目を伏せていた。
ああ、私、なにやってるんだろう。
初対面の相手に、名前以外知らないひとに、こんなこと喋って。
…もう、二度と会うことも無いんだろうな。
彼の端正な横顔を見ながら、どうしようもなく虚しくなった。
「…ごめんなさい、私だけすっきりしちゃって」
MK「…良かった」
「え…？」
MK「看病のお礼。俺で良ければ、いくらでも話は聞くし」
「…、」
MK「…さっきより、ちょっといい顔になったんじゃない」
そう言って、彼は笑う。
世界の果てに、爽やかな青い風が吹いた気がした。
私の頬を指で撫で、頷く。
一点の濁りも無い彼の笑顔。
暖かくて、触れた彼の手のひらと同じ温度がした。
私の心を、抱きしめてくれた。その微笑みひとつで。
また、私の視界が霞んだ。
また、彼は私を見て微笑んだ。
「ほんと…ごめん、急に泣いたり変なこと言ったり…」
MK「謝らないで」
「…うん…」
MK「…」
彼の手が、私の頬から離れる。
私は思わず彼の手を握った。
彼が思わず顔を顰めたから、強く握りすぎたと思って咄嗟に手を離す。
顔を見合わせて、互いに吹き出す。
だって、離れてほしくなかったから。
思わず、私らしくもない行動をしてしまった。
…ううん、きっとこれが本当の私だ。
彼は、私の手を握ってくれた。
包帯越しに伝わるその温もりが、永遠であればいいのに。
そう願ってしまった。
彼の笑顔が、夜空に煌めく一点の星に見えた。
MK「…こんな街に、染まっちゃいけない」
「…え？」
MK「君の居場所は…もっと、他にあるはずだから、だから…」
「…」
MK「……げて、」
私の手を、ぎゅっと握る。
その力強い光を湛えた瞳が、私を見つめる。
マーク、と
何故か彼の名を、呼びたくなった。
MK「…俺たちから、逃げてくれ」
MK「A、君は…」
MK「…俺のそばに居ちゃ、いけない……」
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cooky(プロフ) - 設定がすごく良く作り込まれている作品だと思います！続きも楽しみです！！:) (3月19日 1時) (
レス) @page49 id: 8d4c7960bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2024年3月18日 2時
