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“俺と同じだ”
掠れた、心を鎮めるような、小さな声。
彼がネオン街の空虚を見つめるようにして、自分を蔑むようにして、放った言葉。
ほっとした。
ぼろぼろに傷付いた、彼の隣で。
そのままの私で、ここに居ていいんだよ、と。
彼にそう云われた気がした。
MK「…大丈夫？」
「…ごめんなさい…」
MK「…」
「急に…、ごめんっ…」
ああ、せっかくの化粧がぐしゃぐしゃになる。
顔を両手で覆って、必死に涙を止めようとする。
だけど堰を切ったようにして、感情が止まらない。
彼なら、私を認めてくれる。
彼なら、私が隣に居ても許してくれる。
彼なら、私を真っ直ぐに見つめてくれる。
少し不器用に、慣れない仕草で私の肩を叩く。
そっぽを見ながらも、ずっとそうしてくれる。
優しく、親が子どもをあやすように。
私の心にまで触れて、撫でてくれるように。
呼吸が整うまで、胸が落ち着いたあとも、彼はずっとそうしてくれた。
ふと、どこからともなく野良猫がやってきて、不安げに辺りを見渡しながらも、ネオンの陰に小さくうずくまった。
まるで、私を見ているみたいだった。
「…今日、いやなこと、沢山思い出したんです」
MK「…嫌なこと、」
「うん。…私、自分のことをあまり知らなくて。親の顔も知らなければ、どこで生まれて育ったのか、なんにも…なんにも覚えていない」
MK「…」
「…ううん、少しだけ覚えてる。痛くて、寒かったこと。寂しかったこと」
…それに。
「生まれてこなきゃ良かったのに、って」
MK「…、」
「…誰に言われたかは、覚えてないけど。だから私、生まれることを望まれていなかったし、生きることも良く思われてなかった。どこにも認めてくれる人がいない。だから、誰にでもいい顔して、薄っぺらく生きてる…」
もっと汚くて、気持ち悪くて、どす黒い。
だけどそんな私を見せたら、本当に誰も居なくなってしまうから。
私のネックレスにしか興味が無いヘチャンにも、お金が欲しいだけのジェヒョンさんにも、私とやりたいだけのジェミンにも、へらへら笑って気に入られようとしてる。
「この街に、初めて来た。変な匂いするし、ごみだらけで汚いし、人間もみんなみんな下品で、卑しくて、欲深くて…」
「だけど、そんな穢れた街のこんな片隅に居るのが、」
「…一番落ち着くな、なんて…」
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cooky(プロフ) - 設定がすごく良く作り込まれている作品だと思います！続きも楽しみです！！:) (3月19日 1時) (
レス) @page49 id: 8d4c7960bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2024年3月18日 2時
