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「ねえ」
TN「…」
「こっち見てよ、テン」
TN「イヤだ」
「ふふっ、どうして？」
潮風に吹かれる、その横顔。
私が愛してやまない、そのつんと尖った鼻先。
長くなった黒髪をかき上げ、海を見つめたままの彼は、やがて困ったように微笑んだ。そんな仕草すら愛おしくて、私は三角座りの脚にかけた腕に顔を傾けながら、ずっと彼のことを眺めていた。
あどけなくて、爽やかで、無邪気で。
そんな彼のことがずっと好きだった。
テンの全部が欲しかった。到底無理だと、分かっていても。
テンが大切にしていたあの子と、テンを引き離してしまったこと。
テンは時期尚早だと言っていたけれど、人の恋人に手を出したことに間違いはない。今は申し訳なく思っているし、だけど、あのときの私の衝動と強烈な欲望を今の自分で自制できるかと問われたら、きっと無理。
好きでたまらない。
その気持ちだけで、今日まで彼だけを愛してきた。
私は海に視線を向ける。
彼と同じような気持ちを抱いている。
そんなことを感じる瞬間、私は満たされ、安心してきた。
…だけど、そんな子どものままでは、もういられない。
私がテンから離れなくちゃ。
私とテンは一つになれない。
私はテンになれない。
テンは、私のものじゃないから。
「…ねえ、テン」
TN「…」
「こっち見てよ。海ばっかり見てないで、…どうして…」
TN「……怖いから…」
「…怖い？」
テンが目を細める。
自嘲するように微笑み、首を横に振る。
…そんな姿さえ、私みたいで。
やっぱり私たち、似ているのね。
何も感じていないふりをしているだけ。
本当は怖くてたまらないのに。
お互いを失うことが怖いから、わざと傷付けて、存在を確かめ合う。
だけど、恐れてばかりじゃ、本当のことには気付けないよ。
「こっち見なさい、テン」
私がそう言えば
彼は驚いたように顔を上げて
…ようやく合った目。
その目の下の黒子まで、全て、大好きよ。
私は微笑んだ。
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Speranz71153907(プロフ) - NCT2020から加入した女の子(中国）とソンチャンの恋愛物語が読みたいです。01生まれの167cmラッパーで性格はサバサバしている感じでお願いしたいです。 (2022年11月20日 15時) (
レス) id: 1b68452dc0 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - 名無し26705号さん» お返事大変遅くなりました（ ; ; ）これからものんびり更新ですがぜひ見届けて頂けると幸いです、、、！ (2022年11月17日 17時) (レス) id: 0149abc0ab (このIDを非表示/違反報告)
名無し26705号(プロフ) - 更新楽しみにしてます（；＿；） (2022年10月11日 10時) (レス) id: a987a7fbf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2022年8月11日 15時
