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CL「姐姐！」
「わっ！」
From Homeの衣装に着替えてステージに向かっていると、後ろから思いきり抱きつかれた。
振り向いてみれば、私の肩に顎を乗せたチョンロの笑顔。
…が、目と鼻の先にある。
自分から抱きついてきたくせに、ぱっと顔を赤くしてそっぽを向きながら笑うチョンロが、どうにも可愛らしい。
私は私よりもずっと身長が高くなったチョンロの頭を撫でた。
「どうしたの、チョンロ(笑)」
CL「…思ったより顔近くて、ドキドキしちゃった。」
「可愛い♡」
CL「いやー、可愛いって…俺もう子どもじゃないし…」
でもまだ私たちの国の年齢で言えば19じゃない、と突っ込みたい気持ちは抑えて。
妙に大人ぶったふりをする、だけど着実に大人に近付いていくチョンロの姿に、どこか感慨深くもなった。
さっき勢いよく抱きつかれたからか、下腹部がきりきりするのは気合いで誤魔化す。
私は気を紛らわせるようにチョンロの腕に抱きついて、それに驚いたチョンロを見上げながら笑った。
CL「…A姐姐、すごくきれいだね」
「え？」
CL「あ、いや… …いつものことだけど、特に今日、本当に綺麗で」
「ふふっ、ありがとう。チョンロも清楚でかっこいいね」
CL「ヤー、照れる…(笑)」
「なによ、らしくないわね」
チョンロの頬を指で撫でる。
彼は照れた素振りを見せたまま、微笑んだ。
チョンロの笑顔を見ていると、やっぱり体の奥でぞわぞわしていた何かが治まったように思えた。
その後、From Homeの収録も無事に終わった。
心配していたロングトーンも練習通り歌うことが出来たし、まあ、歌うことは嫌いだけど、テイルさんやドヨンくんやドンヒョクと歌声を重ねることは好きだ。
実は歌唱中、頭もお腹も痛かった。
収録時間が長引いて薬も切れてきたみたい。
どこか集中が途切れそうになるし、注意が散漫になる。
それでも私は、カメラの前では絶対完璧でいなければならない。
だから心の帯を締め直して、また衣装に着替える。
髪型もメイクも変えて、完璧なパフォーマーとしての準備を整える。
…リハーサルの時みたく、滑って転びかけないようにしなくちゃ。
滑り止めの付いたいつもより大きな靴に履き替える。
体調不良なんか気にしてられるもんですか。
自分なんかの体より、目の前の仕事の方がよっぽど大事だ。
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作者名：れいら
| 作成日時：2022年6月22日 1時
