美しすぎて、ごめんなさい。５ (ページ24)

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JO side

…ともかく、今はあの頃のAとは、もう違う。

あの頃よりは大人になった。
少しは冷静に物事を考えられるようになった。

自己愛の低さは相変わらずのところもあると思うけど、それでも周りのメンバーの支えで少しずつ変わってきているところも……あると、願いたい。

結局その日は俺がクンに電話して、Aを迎えに来てもらった。

俺の家を出る頃にはべろべろに酔っ払って、立つことも出来なかったA。賢い彼女がそんな姿になるだなんて、やっぱりテンとの出会いの記憶は、彼女にとって忌々しいトラウマみたいなものなんだろう。

…なあテン、どうするよ。

お前があんなに好きで好きでたまらない女の子を救えるのは、お前自身しかいなさそうだけど。

ちゃんと伝えてやれよ、本当の気持ち。

なんて、まあ、俺の心の中で言ったってテンに届くはずも無いんだけど。

クンにおんぶされて、呂律も回らぬままクンに何かを泣いて話しながら帰っていく、
高貴で上品なアジアのミューズ“ジア”からは程遠い、Aの本当の姿。

…愛おしくて、守りたくてたまらない、そんな弱々しい彼女の素顔。

俺は遠い土地にいるあいつの存在を思い浮かべながら、ただただAの背中を見送ることしかできなかった。

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