美しすぎて、ごめんなさい。５ (ページ33)

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だけど今は、

TN「ねえA、おいでよ」

「え？」

TN「エ？じゃなくて。髪、ほら」

「いつもみたく」なんて笑う彼の、

…その“いつも”が戻ってきたことが、涙が出そうなくらい嬉しい。

だけど私は涙を飲んで微笑むと、テンの足の間に座った。

半年以上ぶりなのに、慣れた様子で私の髪にオイルを塗る彼の手つきすら愛しい。
…このヘアオイルも、テンが最初にプレゼントしてくれてから、ずっと同じものを使ってる。

乾かすのに時間がかかる私の長い髪を、彼は何故か好んで、昔からずっと乾かしてくれた。

ドライヤーを使っている間はなんの話もしないけれど、テンの少しごつごつした指や手の温もりを感じられるだけで、私は胸がいっぱいになるくらい幸せだった。

気持ちよくて眠りこけそうになった頃、彼が私の頬を優しくつねる。

それではっとするのも、とっても久しぶりの感覚だ。

私は笑い、自分の足を抱えた。

…どうしてこんなに、幸せなのかな。
こんなに幸せでいいのかな、なんて。

テンがいるのといないのとじゃ、全然違う。

私はやっぱり、テンなしじゃ生きていけない。

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