・ ページ40
.
XJ「あ、あれAが好きそう」
「え？」
ドジュンがふと立ち止まった。
私はヒールのバランスを崩して、ぎゅっと彼の腕にしがみつく。
彼が指さした先には、ワッフルのワゴンがあった。
…最近ああいうの、食べてなかったな。
昔は大好きでよく食べていた。
体型管理のために甘いものを食べなくなったけれど、
XJ「…1日くらい、いいんじゃない？(笑)」
「…ふふっ、そうだね」
XJ「そうと決まれば！……お、ミンチョのフレーバーがある！」
「私チョコホイップね」
XJ「追加トッピングは？」
「うーん、バニラアイス！」
XJ「分かった」
すみません、と韓国語で店員に声をかけたドジュン。
韓国語を使うとき、いつもよりぼそぼそ話す彼の声色すら私は好きだ。
出会った頃よりずっと大きくなった背中を、見つめる。
…あたしのそばに、いてくれるのかな。
これからも、いてくれるのかな。
そんな弱音、あなたの前じゃ絶対吐けないね。
XJ「はい、お待たせ」
「美味しそう！ドジュンの半分ちょうだい」
XJ「なんでだよ！！俺の食べる分が…あっ！」
「美味しい〜♪」
XJ「A〜！！！なんで…全く、なんでだ…」
「ねえドジュン、あっちのブティックも見たい。カード持ってるでしょ？」
XJ「はぁ！？ちょ、先月の俺の請求額凄かったんだぞ！俺のものよりAの服とか家具とか食事代とか、」
「うるさいわね、ゴタゴタ言ってないで早くついてきなさいよ。バーカ」
XJ「バカ！？おまっ…ワッフル返せ！！！」
「あははっ！(笑)」
ほらまた、いつも通り。
私がドジュンに無茶を言って、怒られるの。
それに、ほっとするの。
ドジュンの困った表情が、私が彼を振り回しているっていう事実が、なんだかとても私を安心させる。
彼の中に私がいる。
私が映る。
私が認められる。
…それだけで、よかった。
ドジュンの手を引く。
初夏の陽に照らされる、私の長く黒い髪。
私に微笑みかけるドジュン。
きっと私に見惚れている、その瞳の奥の方。
きっと、誰よりも美しくて、高嶺の花みたいで、
そんな私にこそ価値があって、美しくあることに存在する意義があって、必要とされているから生きていてよくて、ここにいていい。
こんなにも空は晴れ晴れとしている。
それなのに、ふとした瞬間泣いてしまいそうになる。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 851人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NCT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れいら(プロフ) - 名無し26705号さん» Twitterの方全く更新できていなくてアカウント開いてすらいませんでした…そろそろ短編投稿しようかなと思っていたので、そのタイミングでの承認になるかと思います💦せっかくフォロリク送って頂いたのに申し訳ありません！🙇🏻♀️ (2022年6月2日 13時) (
レス) id: 0149abc0ab (このIDを非表示/違反報告)
名無し26705号(プロフ) - 今ってツイッターの承認ってされてないですか？😢 (2022年6月1日 18時) (レス) id: a987a7fbf2 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - カオルさん» カオルさんいつもありがとうございます🥲🌹 仕込んだ小ネタ（言い方）が伝わったみたいでとっても嬉しいです😭💖 本当にありがとうございます💕 (2022年6月1日 0時) (レス) id: 0149abc0ab (このIDを非表示/違反報告)
カオル(プロフ) - うわーーーー！そゆことかあー！！ほんとれいらさんのお話すべて！！大好きです😭 (2022年5月28日 1時) (レス) @page36 id: 2b37dccc92 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - aさん» ありがとうございます😭カシスネタ（ネタ）気付いてくださる方がいて本当に嬉しいです…泣 Twitterまでフォローしてくださって本当にありがとうございます🥲💖これからもぜひ宜しくお願い致します！更新お楽しみにしてください🥰 (2022年5月25日 0時) (レス) id: 0149abc0ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れいら
| 作成日時：2022年5月13日 17時
