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JO side
よくドンヒョクに訊かれる。
ジャニヒョン、ほんとはAとしたことあるでしょって。
ドンヒョクだけじゃなくて、他のメンバーにも
わざわざ訊かれたことは無いが、多分訝しげに思っている人は沢山いると思う。
昔からずっと、2人きりで、行き先も告げずに出かける。
次に帰る時は、必ず朝に。
そして多くを語らない俺たちの関係は、確かに怪しく思われたって仕方がない。
現に、俺とAの距離感は恋人のそれのように近しいものとなっているし。
だけど、
どうして俺が、時に彼女の“夜の相手”に選ばれるのか。
そんな理由、一つしかない。
「聞いてよ、テンのバカ…あのひと、この前1日半も連絡返さなかったんだよ！？私心配すぎて泣いたんだから、いやマジで！ほんと信じらんない、まだ許してない」
JO「え〜、1日半も？それは相当忙しいってことなんだろうな、中国で」
「もうやだ、こんなに振り回されるならあのひとと出会わなきゃよかった。好きにならなきゃこんなに悩むこともメンタル不調になることもないし、お肌の調子だってもっと良かったはずなのに…」
JO「でもやっぱりテンのことが？」
「大好きです」
JO「草」
俺の役目。
それは、Aのテンに対する愚痴を聞いてやること。(笑)
テキーラのショットグラスをぐっと煽り、カウンターに突っ伏すA。俺は苦笑いしながら彼女に水を促す。
Aとは、単純な付き合いの年数で言えばNCTのメンバーの中で一番長い。それゆえ気心は知れており、Aがテンに恋をし始めたその日から、彼女の愚痴を聞いたりテンとの仲を取り持つのは、必然的に俺の役目になった。
Aはぽろぽろと涙をこぼしながら、「テンに会いたい…」と呟く。そして俺の腕にすがりつくのである。
俺も自分のカクテルを飲み、Aの頭を撫でてやった。
「テンのいない人生なんか、生きていても意味が無い…」
JO「…そこまで夢中になれる相手と出会えることが、羨ましいよ」
はぁ、と小鳥のような溜め息をこぼして、顔を真っ赤にしているAは目を閉じた。
…Aは、ほんとに。
大人っぽいとか、セクシーだとか、達観してるとか、色々と言われているけれど
好きな相手を前にすれば、年相応の女の子になるものだ。
テンが出国して半年が経つだろうか。
そろそろ我慢の限界が迫る彼女を慰めるように、俺はまたAの頭を撫でた。
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作者名：れいら
| 作成日時：2022年3月7日 18時
