・ ページ7
.
「…BoAさんとか、テヨン先輩とか、スルギ先輩とか…」
TY「素敵なメンバーじゃん。みんな優しいよ」
「嫌よ。女なんて大嫌い」
TY「あ、また始まった…(笑)」
そうかな。凄く似合うと思うんだけど。
ボアヌナに聞けば、GOT the beatの新曲は1人の男性を女性たちが奪い合うような強烈な曲で、そんな雰囲気はAにぴったりだと思った。好戦的で、魅力的で、そんな女性像。
だけど当の本人の女嫌いは激しい。
過去に色々あったようだが、つまり「美人すぎて妬まれて色々と損をしてきた」人生だと。
俺はAの頭を撫で、微笑んだ。
TY「大丈夫。ボアヌナたち、みんな本当に優しいから。きっといい経験になるし、…言っちゃえば、期間限定なんでしょ？大丈夫だよ」
「……仕事、貰ったからには、頑張るけど」
TY「うん。みんな本当に悪い人たちじゃないから、大丈夫だって」
俺の励ましが伝わったのか、Aは少し不服そうに頬を膨らませながらも、頷いた。
こんな時だけ幼い表情を見せる。
普段、カメラの前では高貴な彼女の、わがままな素顔。俺はそれをどうしようもなく“可愛い”と思ってしまうから、周りにAを甘やかしすぎだと言われるのかもしれない。
人が嫌いな気持ちは、なんとなく分かる。
だけど俺も、先輩やグループ以外の友達や、色んな人との交流を通して変わったんだ。
Aもきっと大丈夫。帰って来る場所は、ここにあるんだし。
TY「もし何かあったら、俺に言って。どうにかするから」
「…ふふっ、ありがとう。テヨンアっていつもそうだよね。少し過保護すぎじゃない？」
TY「だって、そうしてほしいんでしょ？Aは」
「なにそれ。…私があなたを欲しがってるみたい」
TY「…本当は、どうだって言うの？」
「ふふっ、そうだね。…テヨンイが私のこと、欲しがってるんじゃないの？」
Aはくすりと微笑む。
CHANELのNo.5が、その首筋から香った。
Aは俺の肩に手を置き、背伸びをすると、
俺の頬にキスをして、目の前で黒髪が揺れた。
じゃあね、と言って去っていく。
…全く、もう。
俺は敗北者のように、その背中を見て笑うことしか出来ない。
うちの紅一点は、なかなかに危険だ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 858人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れいら(プロフ) - あーのさん» ありがとうございます！😂偶然読んで頂けて嬉しいです❤️まだまだ始まったばかりのお話なのでぜひお楽しみになさってください！✊🏻💕 (2022年3月1日 17時) (
レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - 鶴舞しゅんさん» ありがとうございます！😭💖とっても嬉しいです、、応援のお言葉を寄せて頂き本当にありがとうございます！力になります❤️🔥 (2022年3月1日 17時) (レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
あーの(プロフ) - なんとなく読んでみたらすごく面白くて、、、！見てみたら大好きなれいらさんの作品でした🥰❤️🔥れ 今回のお話もとても楽しみにしてます！💚😂 (2022年3月1日 4時) (レス) id: 886ef7376a (このIDを非表示/違反報告)
鶴舞しゅん(プロフ) - れいらさんのお話はいつも自分の好みにぴったりで読んでいて楽しいです🥰これからもお話を楽しみにしています！💖 (2022年2月28日 21時) (レス) @page43 id: 94c5de59b2 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - おもちさん» お返事遅れました💦ありがとうございます！！とっても嬉しいお言葉です😭💖これからも楽しんで読んで頂けるよう頑張りますね✊🏻💚 (2022年2月27日 17時) (レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れいら
| 作成日時：2022年2月24日 21時
