君を例えれば、僕の酸素 ページ9
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JS「Aー、入っていい？」
「…ん？ああ、チソンア？」
部屋で作業をしていると、何度もドアをノックされている気がしたので、ヘッドフォンを外してみればチソンの声がした。
彼の声に返事をすれば、何かを手にしたチソンがこちらへ歩いてくる。
「待って、そのスウェット私がモデルしたやつ…(笑)」
JS「ピンクとひよこ可愛いじゃん」
FCMMと私たちがコラボした時に発売されたスウェット。ピンク色の柔らかい生地、ひよこのワッペン付きのスウェットに身を包んだ完全オフモードのチソンは、幼い雰囲気が漂っていて…心なしか可愛く感じる。悔しい。とても悔しい。
てかAも俺のモデル着てるじゃんかと言われて気付く。私も紺色とハムスターのワッペンが付いたスウェットを着ていた。
そんなチソンはキーボードの横に、タンブラーとお菓子セットを置く。
JS「随分と長い間部屋に籠もってるからさ。休憩したら、と思って」
「ああ、ありがとう… …って、え！？もう2時なの！？」
JS「気付いてなかったの？」
「全く…」
JS「音楽のことになるとこうだもんな、A…(笑)」
そっか、そんなに時間が経っていたんだ。
きっとチソンが淹れてくれたのであろう紅茶を飲みつつ、椅子の背もたれに身を預ける。明日もスケジュールあるんだしそろそろ休まなくちゃ。
チソンは興味津々な様子でデスクトップを注視していた。空調設備の風でふわふわとアホ毛が浮いてる様子は、さながらひよこさんみたいだった。
JS「新曲？」
「うん。聴いてみる？」
JS「聴く！」
…そんな風に関心持って言われると、こっちも嬉しくなるじゃん。
チソンの屈託のない笑顔を見ると、私も嬉しかった。イヤホンジャックをコンピューターから抜き、マウスをクリックして音源を再生する。
さっき細かな調整を終えて、完成形にした新曲。これにリリックビデオを付けるなりして近いうちにYouTubeとSoundCloudで公開する予定だ。
JS「…待って、俺この曲…聴いたことがある気がする」
「…！」
JS「昔…デビューした頃くらい？それより先だったかな。…こんな曲、作ってなかったっけ？」
「…分かるの？」
JS「うん」
…すごい。
と、感嘆すると共に、
とっても嬉しかった。
私に振り向いたチソンは、私の顔を見るなり一瞬目を見開いて、すぐに目を細めた。
その笑顔の暖かさに、私の心も音を立てる。
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れいら(プロフ) - てなさん» コメントありがとうございます！そちらのお話も読んでくださってるんですね！大ファンなんて…嬉しいです🥺自分でも作品の温度差が激しすぎてびっくりしてます() 両方の作品を楽しんで頂けるよう頑張りますね！私も大好きです💖 (2022年1月7日 0時) (
レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - つい最近作者様のお話を知って一気読みしました！もう一個の連載の方も大ファンなのですが、「あっちで大変なことになってるメンバーもこっちでは楽しそうだ…！」と、王子様と呼ばないでを読んでいるとほっとします笑笑これからも楽しみにしてます！大好きです！ (2022年1月7日 0時) (レス) id: ee497d0949 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2022年1月6日 23時
