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『その言葉を待ってたよ』
「…ありがとうございます」
『今年のカムバックが可愛い少年のようなコンセプトでも、文句は言わないね？(笑)』
「うわぁ、やめてください。あの時のはただ、僕が幼くて世間知らずで、だからあんなことを…」
『あの時の君は強烈だったからね〜。今となってはそれもまたいい思い出だよ』
「…その節は、本当にすみませんでした。だけど今はもう、どんなことでも楽しんでやるし、真剣に、プロ意識とプライドを持って出来ると思います」
『それは、NCTとしての活動が、君にとって生活のための“仕事”だから？』
…そう言って、私を試すような眼差し。
私はもう震えない。
毅然とした態度で、首を横に振る。
「違います。…それが、私のやりたいことだからです」
…仕方が無いから、やること。
言われたから、やること。
昔の私は、なんの情熱も抱いていなかった。
早く毎日が終われと、そんなことばかり考えていた。
だけどもう違う。
NCT、そしてNCT DREAMとしての活動は、
…私の誇りで、生き甲斐だ。
『…そうか』
「…」
『……大人になったね、A』
「…先生…」
まるで自慢の息子だ、とでも言うように、スマン先生が微笑む。
その笑顔を見ると、なぜか胸にぐっと迫るものがあった。
…私もそんな年になったんだなって、まだまだ半人前のくせに、思ったりもしてしまう。
「よし、分かった」と、スマン先生は組んでいた手をほどき立ち上がった。
『今年も頼んだよ、エラ。NCT DREAMの秘密兵器！』
「…その二つ名みたいなの、恥ずかしいです」
『君がこのグループにとって起爆剤なのは間違いない。今年も活躍を期待してるからね』
「…はい！精一杯頑張ります。よろしくお願いします！」
ぺこりと頭を下げた私。
顔を上げれば、満面の笑みで私に手を差し伸べてくれるスマン先生。
私も笑って、その手を強く握った。
…今年も頑張るぞ。
ソロはもちろん、グループだって、
“NCT DREAMのエル”にしか生み出せない色と音楽が、そこにあるんだもん。
もっと素敵な音楽を届けたい。
大好きで、大切で、感謝している
そんなシズニに届けたい。
そしてまだ私たちを知らない人にも、届けたい。
音楽で人を幸せにしたい。
素敵な一年にしよう。
そう心に決めた。
…そう、この時の私はまだ、何も知らなかったんだ。
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れいら(プロフ) - てなさん» コメントありがとうございます！そちらのお話も読んでくださってるんですね！大ファンなんて…嬉しいです🥺自分でも作品の温度差が激しすぎてびっくりしてます() 両方の作品を楽しんで頂けるよう頑張りますね！私も大好きです💖 (2022年1月7日 0時) (
レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - つい最近作者様のお話を知って一気読みしました！もう一個の連載の方も大ファンなのですが、「あっちで大変なことになってるメンバーもこっちでは楽しそうだ…！」と、王子様と呼ばないでを読んでいるとほっとします笑笑これからも楽しみにしてます！大好きです！ (2022年1月7日 0時) (レス) id: ee497d0949 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2022年1月6日 23時
