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「うわっ！ちょ、急っ…！」
JN「え〜？(笑)」
ニコニコ笑うジェノくん。
ただでさえ筋肉で体がムキムキなのに、私のことをいきなり抱き寄せたから抵抗する暇も無かった。
見上げてみても、その笑顔は完全に“解ってる”。
…本当はただ私をこうしたくて、部屋に来ただけじゃないの。(笑)
JN「早く素直になれよ。ロンジュニには心開いてるくせに(笑)」
「や… …みんなに心開いてないわけじゃないけど、」
JN「うん」
「甘えることに、慣れてないって言うか…」
JN「…」
「…私、お姉ちゃんだし。アメリカから釜山に来た時も、しっかりしなくちゃって頑張ってたし。デビューしてからもソロで出してもらうことが多かったから、そのうち大変なことがあっても一人で処理できるようになったっていうか…」
「…そうするように、頑張ってなろうとしたから。そんな人になれるように頑張ったから…」
…ジェノくん、どんな気持ちで聞いてるんだろ。
あまりこんなことをメンバーに話した事はない。私の個人的な問題でみんなに心配をかけたくないし、メンバーといる時は楽しい時間か、有益な時間だけを過ごせたらいいなって思ってるもん。
ロンちゃんにだけは…あの日から、自分の気持ちを吐き出せるようになったけれど。
未だに私は他のメンバーに自分のことをあまり話さない。もちろん、自分の心を開いてないというわけではない。
JN「…そっか、だからか」
「…え？」
JN「A、いつも…会社の人とか、スタッフさんとか、外部の人に“しっかりしてて偉いね”って褒められても、あんまり嬉しそうな顔しなかったじゃん」
「……気付いてたの？」
JN「気付くよ。俺がどれだけAのこと、近くで見てきたと思ってるの」
ジェノくんがふふっと微笑む。
…そうか。
そんなことにすら気付いてなかったんだ、私。
彼は私の肩をぐっと抱き寄せ、一気に肌の距離が縮まる。
まだぎこちなくて、どうしていいか分からない。こんな距離で私が自然体でいられるのは、ロンちゃんだけだから。
それでも、ジェノくんの香りに包まれると、少しずつ心がほどけていく気がした。
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作者名：れいら
| 作成日時：2021年11月25日 20時
