#9 ページ9
異変に気付いたのは、それから1ヶ月ほど経ったとき。
DY「…ねぇ、誰かAヒョンと連絡つく人いる？」
このドヨンの1言で、3週間ほど前に送ったカトクがまだ返ってきていないことを思い出した。
送った後数日は気にしていたが、時間が経つと仕事の忙しさに思考を全て持っていかれる。
たった1つのカトクの存在なんて、すっかり頭から抜け落ちていた。
急いでカトクを確認するも、未だ既読の文字がつかないメッセージ。
それは、他のメンバーも同じみたいで。
YT「待って、既読すらついてないねんけど」
JH「Aヒョン連絡先変えた…？」
困惑の声が次々とリビングに響き渡る。
そんな中、ガチャリと扉が開き、呑気な声が聞こえた。
TL「ねぇ〜、俺のスマホ誰か知らない？」
きっと起床してから1分も経っていないだろう、完璧な寝起き姿のテイリヒョン。
お手本とでもいうべき寝癖に、少しはだけた寝間着。まだ虚ろな目。
そんな姿でも、その時のテイリヒョンは俺たちにとって希望だった。
そうだこの人がいた。唯一の同い年で、脱退さえも先に知っていたこの人ならば、きっとAヒョンの行方を知っているはず。
TL「ねぇ、俺のスマホ…」
TY「ヒョン、Aヒョンの連絡先知ってません？」
俺の言葉に、目をぱちくりさせたテイリヒョン。
そのまま、頭が働いていないのか数秒固まる。
しばらくして、もう一度瞬きをしたテイリヒョン。
TL「えっと…、ごめん、頭働いてなくて何て言ったか分かんなかった」
TY「だからAヒョンの連絡先…」
そこまで言ったところで、あぁ、と納得したような顔になったテイリヒョン。
その顔で、何か知っているのは明らかだった。
皆が期待を込めた目でテイリヒョンを見る。
TL「あのね、辞めた後しばらくしたら連絡先変えるつもりだったらしいよ。サセンに番号も知られてるしね」
じゃあ、新しい連絡先は？
その気持ちが伝わったのか、テイリヒョンと目が合った。
TL「で、新しい連絡先だけど」
ほんの少しの間。
焦らされているようで、思わずテイリヒョンの方へ歩き出してしまいそうな衝動に駆られる。
ただ、テイリヒョンの口から出た言葉は俺たちが望むものではなくて。
TL「新しい連絡先ね、俺も知らない」
JW「え？」
どういうこと？
テイリヒョンも知らないなんて。
TL「Aから伝言。�狒瓩い海伐兇里海箸亘困譴覆気き瓩世辰討機�
何だよそれ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 712人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：揚羽 | 作成日時：2023年8月16日 18時
