#12 ページ12
-TM(テミン)
ﾃﾐﾝ「あれ…、枯れてない」
そろそろコートやマフラーが手放せなくなった11月。
久しぶりにメンバー全員で、ジョンヒョニヒョンに会いに来た。
冷たい墓石に供えられている花はさっき供えられたみたいに元気で。
ｷｰ「誰か来たみたいだね」
ﾐﾉ「まだ命日じゃないから、家族ではないし…」
ｵﾆｭ「事務所の誰か、かな」
供えられた花束には、殺風景な墓地に色をつけるような、白やピンクを基調とした花たち。
白のチューリップと、これリンゴの花かな。あとはなんだろ。
花に詳しい人、誰かいないかな。
僕が知る限り、あの子以外には知らないけど。
ｷｰ「シバザクラ、レ ンゲソウ、リンゴ、ハナカイドウ、チューリップだって」
ﾐﾉ「あぁ…なるほどね」
スマホで花の種類を調べてくれたキーヒョン。それを横から覗き込みながら、何故か納得したような声を出すミノヒョン。
ﾐﾉ「この花たち、全部4月8日の誕生花だ。…ジョンヒョニヒョンの、誕生花」
ｵﾆｭ「誕生花か…、粋なことするね」
そう言って、穏やかな顔で花を愛しそうに見るこのヒョンたちは、きっとこの花の送り主が誰か分かってるんだろう。
ﾐﾉ「韓国いんの？」
ｷｰ「さぁ、連絡取れないじゃん」
1年前、僕たちの前から消えてしまった弟。
最後に会った時、まさか最後とは思わなくて ろくに別れの挨拶もできなくて。
今、どこで何してるんだろ。
ﾃﾐﾝ「元気かな」
ｵﾆｭ「元気っぽいよ」
意外にも、即答したオニュヒョン。
なんで知ってるの？ヒョンが直接会ったわけじゃないみたいだけど。
誰か、Aに会ったのかな。
ｵﾆｭ「イェソンイヒョンが、Aからきた手紙見せてくれたんだよね。と言っても、もう半年くらい前になるんだけど。海外行きまくってるらしいよ」
ﾐﾉ「海外？！」
ｵﾆｭ「前はタイにいたって」
ｷｰ「はぁ…、相変わらず自由な…」
そっか、手紙が来たんだ。
良かった。元気そうで。
自由なAが戻ってきてくれて、本当に良かった。
ﾃﾐﾝ「僕も会いたいなぁ…。どうせ韓国いるんなら、僕にも連絡してほしいよね」
ﾐﾉ「あいつが俺らの番号なんて覚えてると思う？多分、誰の連絡先も知らないよ、Aは」
ｷｰ「そういう奴だったからね」
ｵﾆｭ「ま、それもAが自由になったってことだよ」
あの頃のAは義務でしか笑えていなかったから。
今、心から笑えてればいいけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 712人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：揚羽 | 作成日時：2023年8月16日 18時
