No Name【NCT】 (ページ2)

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「で？遅れた身がいうのも何だけど、今日の本題は？」

ヤンヤンの少しうざい絡みを適当に流し、Aヒョンが俺を見る。

TY「え、あぁ、再契約についてなんだけど」

そう言った途端、全員の目の色が変わるのが分かった。

もう、先程までの和気あいあいとした空気はない。

ピリっと張り詰めたような、どこか緊張した空気。

TY「そろそろ会社からも聞かれると思うんだけど、その前にメンバー間できちんと話しておきたくて。
今の段階ででいいから、どう考えてるのか聞かせてほしい」

全員が図ったように押し黙る。

耳をすませば、誰かの呼吸音まで聞こえそうな程の静寂。

いつもの騒がしいNCTとは大違いだった。

JS「…僕から、いいですか？」

意外にも、はじめに手を上げたのはマンネであるチソンで。

全員の目がチソンに向く。

注目を浴びたチソンは、少し顔を強張らせた。

JS「えっと…、僕は再契約するつもりでいます。
NCTが好きだし…続いてほしいものなので」

〝NCTが好き〟

そんな言葉に、不覚にも泣きそうになる。

チソンはメンバーの中でも特に幼くデビューして、学校だってまともに行けなかった。

正直、NCTに入らなければもっと自由な人生を生きられたんじゃないか、と思ったこともある。

そんなチソンの口から NCTが好きと聞き、心底安心したし、嬉しかった。

チソンに続いて、DREAMが続々と手を上げた。

CL「僕も…再契約をしようと思ってます」

RJ「俺もします」

JM「俺も」

JN「俺もそのつもりです」

HC「俺もするよ」

MK「俺も、DREAMは全員」

チソンに負けず劣らず、自分の貴重な学生時代を犠牲にしてまで頑張ってきたDREAM。

そんな子たちが、今率先して再契約を考えていることが嬉しかった。

DREAMに感化されたのか、威神たちも再契約の意を述べる。

どうやら、威神たちは既にグループ内で話し合っていたらしい。

KN「俺らは、既に俺らだけで話してたんだけど、全員再契約で考えてるよ」

1番不安があるとするならば威神だった。

中国での活動がメインで、そこが母国であるメンバーも多い。

そのまま、ソロなどでずっと中国でやっていくと決めた先輩たちを何人も見てきた。

だからこそ、そんな威神が全員再契約を決めてくれたことが嬉しくて、思わず視界がぼやけた。

YT「うそ、テヨン泣いてるやん」

TY「泣いてない！」

ユウタにはバレてたみたい。

誤魔化すようにして上を向いた。