僕の名を呼ばない君 6 ページ24
JK side
何か決意をしたように真剣な表情のAくんが視線をこちらに向ける。そして口を開く…
｢俺…俺さ、恥ずかしんだけど…まだいまいちパッチムがわかんないだけよね…｣
んっ？パッ、パッチム？？
｢理屈は分かってるつもりなんだ！！日本でもすっごい勉強したし…｣
｢けど、実際みんなの前に出るとこの会話的にはどうが合ってるとか考えちゃって名前もそうで…チョンくんの場合ジョングガなのかジョングギどっちがこの場合適切なんだ？とか考えてたら名前呼ぶタイミングもなくなっちゃって…｣
…そんなこと考えたこと無かった。でもそっか。俺たちにとって当たり前な事がAくんにとってはそうじゃなかったんだ。
｢だから、名前はもうちょっと待ってもらえれば…急に名前で呼んで前居たレッスン場みたいにまた間違えて笑われると俺もう立ち直れない気がする…｣
Aくんの言い分も分かる。けどそれと同時に思った。1歩踏み出さないと何も変わんない。って。俺も、Aくんも。
JK ｢Aくん、うんん、A。｣
Aが驚いた表情で顔を上げる。
JK｢明日から俺の事ジョングクって呼んで。グクでもいいよ。グガでもグギでもないなら迷わないでしょう？｣
｢えっ…でもっ…｣
不安そうな顔をするA。でもここで引いちゃだめだ。
JK ｢はい！！もう決まり！！明日…いや今からは俺はAっ呼ぶし俺のことはグクって呼んで！！だって俺達もうライバルで友達でしょ？！｣
自分で言ってなんだが恥ずかしくなる。誤魔化すように大きな声でほらっ！！もう帰るよ！！ってAに声をかけ先に歩き出す。
先に歩き出すと急に背中に衝撃を感じる。なんだ？って首を後ろに回す前にAが俺の背中に乗っていることに気づく。とっさにだっこの状態になる。
JK｢えっ、なに！！どうしたの？？｣
｢俺さっ、みんながこうやって絡んでるのすげぇ羨ましかったんだ…俺も混ざりたいなって思ってた。けど1歩踏み出せなくて…だからさ…｣
｢ありがとう…。グク…。｣
そこでやっと俺もAの方へと顔を向けれ、目が合う。
｢グクが韓国での俺の初めての友達だ…ありがとう。グクが俺の為に頑張ってくれたように俺も頑張るね…！！｣
そう言ってAは初めて俺に向けて笑った。
その笑顔が俺があの日の夜見た、そして俺がずっと向けて欲しくてたまらなかった笑顔だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2486人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あ(プロフ) - 続きお恵みください！！！！！ (4月15日 22時) (
レス) id: 96c38df295 (このIDを非表示/違反報告)
いおり(プロフ) - 完結でおめでとうございます！完結で寂しくなってしまうな……と思っていたところに番外編？！少し読んだだけなのにおもしろくて、最高です！！ (2021年11月24日 0時) (レス) @page19 id: c1ef92049f (このIDを非表示/違反報告)
みいむぎ(プロフ) - ユキトさん» ユキト様、コメントありがとうございます！そういって頂けてとても嬉しいです(^^) 引き続き楽しんで頂けると幸いです！ (2021年11月5日 20時) (レス) id: 704950217f (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - 泣きました、感動しますね。 (2021年11月4日 18時) (レス) @page6 id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
みいむぎ(プロフ) - いおりさん» いおり様、コメントありがとうございます！嬉しいコメントありがとうございます(;_;) これからも楽しんで頂けると幸いです！！ (2021年10月19日 12時) (レス) id: bac6bb54a5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みいむぎ | 作成日時：2021年10月17日 9時
