【東海】Deep Down (ページ42)

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青ルート１５ページ42

りょうくんの本音を知って、少し戸惑う。
いわゆる、重い愛、なのかな？
用意周到なだけ？
必死に考えを巡らせる。

「なんで黙ってんの」

くつくつと笑われる。
一気に、悪魔から天使の笑顔へ。

「け、計画的だなあと…」
「そりゃあ手放すわけにはいかないからね…引いた？」

相変わらずにこにこ。
でもなぜか、どこか悲しそうに感じるのは気のせい？

「好きだよ、A」
「………ずるい」
「今さら気付いた？俺はずるい人間だよ」

ずるすぎるよ。
引くわけなんてない。
だって、ずっと欲しかった、決定的な言葉をくれた。

口では強がりながらも、りょうくんの目はやっぱりどこか切なげで。

「…どんなりょうくんも好きだよ」

思わず口走る。

りょうくんが少しだけ目を見開く。
そのまま、ふっと柔らかく微笑んだかと思えば。

「Aが悪いんだよ？」
「や、ちょ、りょうくっ…」

どさっと押し倒されて降ってきたのは、あまりにも性急すぎるキス。

さっきまで私を優しく捉えていた瞳が色を変える。
どこか冷たくて、少し危険をはらんでいるそれに背中がぞくっと跳ねた。

吸い付くように唇を寄せられて、呼吸もままならない。
舌を引っ込めてもすぐに追いつかれて絡めとられる。

「…ごめん、やりすぎた」

苦しそうにしている私を見て、りょうくんがパッと離れた。

顔を見合わせて、ふふって笑う。
そのまま、ふたりして仰向けにベットに倒れこんだ。
幸せだ。

「あー…りょうくんの妹が妹でよかった…」
「どういう意味？」

私の髪をとかしながら、りょうくんがくすっと笑う。

「だってあんなかわいい子に勝てる気しないもん…」
「Aもかわいいと思うけど、十分」
「うーん…ありがとう…」
「信じてないって顔してる」
「だって…」
「俺はさあ」

りょうくんが口を閉ざす。

「え、なに…ひあっ」

思わず変な声が出る。
りょうくんに耳をくわえられて、そのまま甘噛みされたせいで。

「Aのこういうとこ、すげえかわいいと思うけど？」

首を傾げて、にたっと笑うその姿は、まさに。

「悪魔！意地悪！」
「うん。悪魔だよ、意地悪だよ。だからね、そのかわいい姿はもう誰にも見せてやんない、これからもずっと」

ゆっくりと手が伸びてくる。

「え、それって…」
「ふふ、ずっと俺だけに愛されててね？A」

その手が私を捉える。
洗濯物はもう諦めることにした。
もうこの悪魔からは逃げられない。

ねえりょうくん。
どこまでも、一緒に堕ちようね。