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緑ルート11 ページ25

始まった尋問タイム。

いや、まだとしみつの言葉を信じたわけじゃないけど。
だって、だって!
じゃあ彼女はどうなるの?
電話は?リップは?

「フラれたの?って聞いたとき、まだわからんって言ったよね?」
「これからお前に告るつもりだったからな」
「し、潮時かもって!」
「お前が全然俺に振り向く気配ないから、そろそろ諦めんといけんかと思って」

あんな告白、でまかせだと思ったのに。
余裕げにつらつらと答えられる。

「私実は聞いてたんだからね、あの電話」
「あー、あれ…」

そこで初めて、としみつの表情が曇る。

「それにリップだって!」
「あれは、」
「あとね、気付いてないと思ってるんだろうけど私知ってるから!服にキスマークついてたよ!」
「…あ」

やらかした、そんな顔で私を見るとしみつ。
ほらね、やっぱり。
隣で頭を抱えるとしみつを見やる。

「あー…言いたくねえぇ」
「言わなくていいってば、うそついたからって怒ったりしないよ」
「…は?うそ?はぁ?」
「え、こわ」
「おま、人の一世一代の告白を、うそ…?」

口元がひくりと引きつるのが見えて、なんだか嫌な予感を覚える。
としみつは本気で怒るとき、声を荒げない。
今はまさに、その状態。

「ほぉ、言ってくれんなぁ?Aさん?」
「ちょ、怖いって!」
「そんなに俺って信用ないんですかねぇ?」
「いや、その…」
「あ?」

ひいいいキレみつだ!
違う意味でドキドキする!
全然嬉しくない!

「まず電話のことな、あれは…」

ものすごく不機嫌な感じで、言葉をつむいでいくとしみつ。

「相手、彼女でしょ?」
「ちげぇわ。男だよ」
「おと、え、は?」

さっそく衝撃的な答え。

「あ、うん、まぁね?恋愛の形は人それぞれ…」
「おい待て、変な勘違いすんな」
「だって!」
「だーもう、よく思い出してみろって。俺がなんて言っとったか」
「好きとか、笑顔がかわいいとか?」
「…うん、それ。全部お前のこと」
「…はい?」

固まる私にかまうことなく、としみつが続ける。

「まぁその男ってジローなんやけど」
「え!カリブラの?」

そのジローしか俺は知らん、と投げやりに言われる。

「あいつがAの好きなところ答えろってしつこいから、それに答えただけ」

ぶっきらぼうな言い方。
でも、髪の毛から覗く耳が赤い。
…本当なの?

「でも香水くさかったし、リップ出てきたし?キスマークも…」
「あれは全部、んー…作戦?」

うなるように、としみつがそうつぶやいた。

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作者名:V | 作成日時:2018年10月29日 17時

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