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橙ルート14 ページ14

きらきら光るネックレスを見て思う。
私、自分自身に嫉妬してたのか…

「一生だいじにする」
「あー襲ってくれって言っとるようにしか聞こえん…」

純粋な感謝を勝手にいかがわしい言葉に変換しないでよ。

てっちゃんが私の首に腕をまわす。
ひんやりとした感触と、胸元にはかわいらしいデザインのそれ。

ねぇ、ちょっとやばいかも。
…嬉しすぎて、泣くかもしんない。
俯き気味に涙をこらえる。

「やば、えっろ、Aのうなじ…」

せっかくの感動を一瞬でぶち壊される。
私の首元に顔を埋めるこの男。
欲に忠実すぎる。

「なめていい?」
「はぁぁ?普通に引く…」
「なんで!好きな女が自分のあげたネックレスつけてたら興奮するやん!」

好きな女、その言葉に自然と口角が上がる。

「なにA、興奮するって言われて喜んじゃった?えっちぃー」

どさっとソファーに押し倒される。
そっちじゃないんですけど。

ていうかほらまた!私流されてる!
明日朝早いんだから絶対だめ。本当に。

「ちょっと待って、私もてっちゃんにネックレス付けたい!」
「むー…今?」
「今!ほら座って?」

無理やり押しのけて後ろを向かせる。
チェーンが引っかからないように髪を持ち上げて…

「ねぇ俺今ぞわってした」
「悪口?」
「お願いA、俺もう限界…」

なにが、とは絶対に聞かないでおこう。
ぱしっと頭を叩いて、代わりの質問を投げかける。

「なんで昨日お風呂入ってから出かけたの?」
「虫さんが、彼女に会うなら風呂入れって」
「あーね…じゃあ、もし告白がうまくいかなかったら、このネックレスはどうするつもりだったの?」
「うまくいくまで頑張るつもりだった」
「…にしても付き合う前に買う?」
「付き合った瞬間から繫ぎとめときたいやん」
「…へぇ」

思ったより、私は愛されているのかもしれない。

「でもいくら虫さんの彼女とは言え、ふたりで出かけてたのはなぁ…」

少しすねてみる。

「へ?三人でいたやん俺ら」
「え?虫さんいなかったよ?」
「うっそ、じゃあトイレとか?あ、そういやトイレの近くで女とぶつかったーとか言ってたな…」

え。

「それより今の嫉妬?ねぇ?」
「う、うん…」
「A…!もーかわいいなこんにゃろー!」

そのつもりだったんだけど、なんか、あれ?
お前だったのか虫眼鏡…!という謎の納得が勝る。

「そうそう!忘れとった!」
「なに?」

てっちゃんがへらぁ、と唇をつり上げた。

「A、俺におかえりのちゅーは?」

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作者名:V | 作成日時:2018年10月29日 17時

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