Part.2 ページ48
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て「言ったら、この写真は俺にとっては絶対ばれたくないものじゃないですか」
虫「まぁそうですね」
水を得た魚のごとく、流れるように語り始めたこの男。
て「だったら、俺がすすんでこんなテーブルの上なんかに置いておくわけないんですよ！この写真を開いたまんま！」
虫「うーん、バカだからしょうがないんじゃない？」
て「違いますー！誰かが意図的にそこに置いたってことです！」
その男が、ゆっくりとこちらへ体を向ける。
…なんだか雲行きが怪しくなってきたような。
「あ、私ちょっと外の空気を吸いに…」
て「待てぇぇぇい！」
「な、なんですかぁー？」
口をへの字に曲げて、仁王立ちして。
絶対に逃がさんという強い意志を感じる。やべ。
て「実は何時間か前に、ここでみんなを待ってるときに聞かれたんですよ、Aに。『おととい誰とデートしたの？』って」
し「えぇ！もうすでにばれてたの？」
て「わからんけど、どっからか知ったっぽくて」
し「こえー！」
しばゆーが、おどけたように言う。
りょうくんのにやにやがさらに深まった。
て「で、Aが、『へぇ、てっちゃんにも好きな子とかいたんだね…』みたいなことを言ってきて！『私ショック』的なニュアンスで」
としみつが、んなわけねぇだろ、と一蹴する。
ていうか、てっちゃんのその裏声はまさか私の真似でもしてるつもり？
虫「お前の受け取りかた次第じゃん」
て「いや本当に！『私以外に相手がいたなんて…』って顔しとった」
虫「そーなのAさん？」
「あータバコうま」
虫「だそうです」
て「もーやだこの子！」
いやーなんのことかわかんないわ。ほんと。
やめてよね証拠もないのに疑うのは。
て「そんな悲しい顔されたら写真見せるしかないじゃないですか。ほら、昔から俺らと仲良い友達でしょ、って」
「え？でも昔もこの子とデートしてたじゃん」
て「昔のことやんそれは！」
「じゃあ今は私のこと好きなの？」
て「好きです！」
「なら、まずスカイツリーに私以外の女と行くのが違うじゃん？」
隙をついて揚げ足をとるが、これは間違いだったと私はすぐに後悔することになる。
て「はぁぁー？俺最初に5回くらいA誘ったやん！スカイツリー行こって！」
し「いや誘いすぎｗ」
と「は、誘われてたのかよ！それはさぁ、Aお前ひどくね？」
虫「ほんとじゃん！それはいかんわ」
あっれ。なんか私墓穴掘ってない？なんか形勢逆転されてない？
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作者名：V
| 作成日時：2018年9月6日 0時
