としみつが生意気にも英語を喋ろうとしています ページ43
.
俺がとある本を読んでいると、向こうからAがやってきた。
「としみつ、なに読んでんの？」
と「なんでもいいだろ」
そこに置いてあったから手に取ってみただけですけど？
みたいな感じを装う。
だってこいつにばれたら…
「え？なんで隠すの？あっ、そういう…」
と「おいなに勝手に勘違いしてんだ」
変な目で見てくるAに渋々本を突きつける。
「基本の英会話フレーズ？」
ぷっ、と吹き出すこいつ。
ほら、絶対バカにされると思ったんだよ。
「英語の勉強って、なんでまた？」
と「てつやが久々にレッスンポッド引っ張り出してきて、それで遊んでたら虫の野郎が『じゃあ来週リスニング対決しよ！』とか言ってきて」
「ほう、なら私が教えてあげよっか？」
にやけた顔つきで俺を見やり、半笑いでページをパラパラとめくる。
と「…お前が頭よかったの忘れとったわ。高校んときのテストもバカ点数よかったっけ」
あんなの一夜漬けで覚えればいいだけじゃない？とA。
一夜漬け…それが俺にはできなかった。
絶対途中で寝落ちしてた。
まぁ、夜型人間のAにはお手のもんか。
と「テスト期間中ずっと徹夜続きとか、ぶっ倒れる気しかせん」
「考えかた次第よ。人気絶頂のアイドルの睡眠時間もこれくらいかな？って思えば、とたんに誇らしくなるじゃん？」
と「なに言ってっかほんっとにわからん」
こいつほんとにアホ。マジで。
なんでこれで賢いんか理解不能。
「いいから勉強しなさいよ」
と「お前は俺の母ちゃんか」
「としくんー？ほらほらママでちゅよー？」
と「うわ気持ちわり、やめろ！」
裏声で小芝居を始めるA。
ぎゅむ、と頬を掴んで黙らせる。
「んあ！たこ顔やめへ！」
と「ふん、どうだ参ったか」
「とひくん反抗期？」
と「しつけーな、キスして黙らせてやろうか？」
「どーへーのくへに！キャラ守れ！」
よくもまぁここまで人を煽れるぜ。
ただ、冗談でもここで勢いよくがばっといけない俺には、悔しいがAの暴言を撤回する資格はないのかもしれん。
至近距離でにらみ合う。
すると、突然。
��Switch on！��
「ふぁ！？」
隣から聞こえてきた声。
あれ？これって…
Aと同時に横を向く。
と「レッスンポッ…あ、」
「りょうくん！」
そこに立っていたのは、レッスンポッドを抱えたりょうだった。
なぜかめっちゃ笑顔で。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1773人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「YouTuber」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：V
| 作成日時：2018年9月6日 0時
