検索窓
今日:60 hit、昨日:44 hit、合計:1,076,780 hit

媚びうま選手権!〜てつや編〜 ページ28

.




【 サブチャン 】


て「A〜」


最後はてつや選手。お前は最初に謝りにくるべきでしょキャラ的に。そこにキレそう。え、理不尽?

PCから視線を外さずに無言を貫いていると、彼は少し離れた場所から、ごめん、とぽつり。これをシカトする私やばくね。


て「横座っていい?」


うん、座らなきゃ始まらん。多分今あなたは見切れてるもの。くい、と顎で隣を指しておく。


て「…さっきはほんっとごめん!」


許可を得るなりすり寄ってくるオレンジ頭。めっちゃ頭下げてくるやん。それが普通だけど。
おそるおそる私の顔色を窺っているが、そもそも怒ってないから表情も変わりようがなく。

だから仕掛けてみましょう。


「はぁ…」


意味のないため息。絶賛うざい女かまし中。無視した上にこの態度である。
でもここで嫌な顔ひとつしないのがこの温厚男なわけで。


て「どった〜編集疲れたか〜」


どうしてそうなった。でもこれ頷いたらどうなんの?編集交代したげる!ってなんのかな。


 「…ん、疲れた」
て「そっかぁ。じゃあわしが癒してやろう」


編集じゃないんかい、と心の中でツッコんだ矢先、てっちゃんが勢いよく私の頬をつまんできた。いわゆるタコ顔状態。絶対今顔面ブス。

癒しとは?(哲学)


て「普通にちゅーしたい」
 「やへてくだひゃい」


しれっと顔を近づけてくるもんだから、とっさに目の前のほっぺをつまみ返して動きを封じる。

キレてる女と謝りたい男が、お互いの顔面をクソブスにさせている。どういう状況?


て「そういや、Aとやろうと思ってこの間買ったゲームあってさぁ、今からやらん?」


私の手をどかしながら、この変な空気の中で平然と口火を切ったのは向こう。


 「新、作…だと?」
て「そ。まぁ、Aがいやなら俺1人でやるけどね」
 「え、待って?待と?」
て「どー?やる?」
 「やらんわけがない…!」
て「ん。じゃあおいで」


…動画?もうじゅうぶん撮れたっしょ!
どうも、目の前の欲望に打ち勝てない浅はかな女です。

ばれないようにそれとなく録画を中断させながら、ふと不思議に思う。
そういやほっぺまで触られたのに、なぜかこれまでみたいに、てめぇ手洗ったのかオラァ!とはなんなかったなって。

…多分ろくに風呂も入らない人の前じゃ、それも些細な問題と化しちゃうんだろうね。うん。錯覚こわ。

ていうかてつや以外の全員に隠し撮りばれてんじゃん。雑魚くね私。むしろてつやが雑魚いのかな。




.

うちの子が携帯とプライドをなくしました→←媚びうま選手権!〜りょう編〜



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (423 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1773人がお気に入り
設定タグ:東海オンエア , YouTuber
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:V | 作成日時:2018年9月6日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。