媚びうま選手権!〜りょう編〜 ページ27
.
【サブチャン 】
り「A、今話せる?」
来たぞ…この男が。戦犯。ドS。サイコパス。イケメン。長身。紳士。
ゴキブリのおもちゃでおどかしてきたのもこの男、強制的に虫取り企画に参加させたのもこの男。
はたして、彼は反省しているんでしょうか。
「なんか用事?」
り「理由がないと話しにきちゃだめ?」
イケメンえぐ。普通ならここは謝りにきたって言うのが定石なのに。今のは完全にナンパだぞおい。
のくせに、なぜか微妙な距離をとって話しかけてくるりょうくん。いや映ってないよ君。企画が成り立たんよ!
「話したいことがあるならちゃんとこっちに来て」
り「…そっち行ってもいいんだ?」
え、なに今の意味深なセリフ。笑顔が爽やかすぎて逆にこわいですお兄さん。
わけがわからず固まっていると、なに黙ってんの、と笑いながらりょうくんが隣にやってきた。
り「ごめんね、我慢して撮った企画の編集までさせて」
「別に…仕事だし」
り「嫌なことでも最後までやり切ってえらいねAは」
きた褒め殺し。イケメンだからか媚び感がない。
り「でもあんまり仕事ばっか頑張ってるからさぁ、ちょっとくらいこっち向いてくれてもいいんじゃないかなーと思って、さっきあんないたずらしちゃったんだよね」
え?彼氏?これ彼氏?私知らない間にりょうくんと付き合ってたのかもしれません。
り「Aの気を惹きたかったんだけど、あれはやだったよね、ごめんほんと」
「ん…?」
謝ってるかこれ?口説いてるの間違いでしょうさすがに。それか隠し撮りに気付いてるか。
…ちょっと待って、その可能性まじめにあり得るのでは?
考えを巡らせる私の頭上に、あのとき同様りょうくんがぽん、と手を乗せた。
そして悲しいかな、ゴキブリのおもちゃがフラッシュバックしてとっさに後ずさる私(しつこいが、虫取り後に手洗ったのかも気になる)。
り「逃げちゃだめじゃん、これからオチつくろうとしたのに」
「…はい?」
ニコニコしながらすごいこと言ったよ今この人。ねぇうそでしょ。
「あー…りょうくん?もしかして気付いて、」
り「だって、普通腹立ってるやつのことなんて近くに呼ばんじゃん?だから、あぁこれ画面に入んないからか?と思って」
「…東海オンエアって推理ゲーム流行ってんの?」
これ以上探偵いらないんですけど。すでにリアルコナンくん(虫眼鏡)と工藤新一×3(てつ・とし・しば)いるし。
.
媚びうま選手権!〜てつや編〜→←媚びうま選手権!〜虫眼鏡編〜
1773人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:V | 作成日時:2018年9月6日 0時