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「案内お願いしても良いですか？宗近様」
「あぁ。さにわ名の頼みだからな。それと舞桜月、俺のことを宗近様と呼ぶな。敬語も止めろ」
私が微笑みながら言っても、主の頼みだからとあしらうだけ。
本当に、私のことなど何とも思っていないのですね。
「……分かった。じゃあ改めて、これから宜しくね三日月」
「あぁ。じゃあ案内するから着いてきてくれ」
私が敬語や呼び方を改めると、あからさまに態度が優しくなる。
まぁ一定の距離を置かれた証でもあるだろう。
そんなに主殿に誤解されたくないのか。
ただ単純に私と夫婦だったのが嫌だったか。
どちらにしろ、私がこの本丸にきたことで良い点など一つも無いだろう。
私たちは無言で廊下を歩く。
時折三日月から本丸の説明があるが、それ以外では何も話せなかった。
三日月は笑顔ではあったが、長年見てきた私には、その笑顔が嘘だと分かってしまう。
誰にでも平等に振り撒く作り笑顔だ。
本丸案内が終わると、三日月はさっさと主殿の元へ戻っていった。
私は振り当てられた部屋に戻る。
何もすることが無い私は、今日の出来事を思い返すしかなかった。
突然人の身を与えられ、目を覚ました先には三宗近様と新しい主殿。
何百年と待ち焦がれた夫と再開出来たと思えば新しい恋人あり。
結果、今の私に残ったものは喪失感のみだった。
今頃、宗近様は主殿と仲睦まじくお茶でもしているのだろうか。
そう考えると自然に涙が溢れてくる。
声は我慢できる。
でも涙だけはこらえることが出来なかった。
こぼれ落ちた涙は戦装束を濡らし、染みを作る。
『なかなかに 黙もあらまし 何すとか 相見そめけむ 遂げざらまくに』
確か人の子が詠んだ恋の歌だ。
何故か私はこの歌を思い出した。
最後まで添い遂げることが出来ないのなら、かえって恋をしなければ良かった。
という意味の歌だったと思う。
結局は私も人と同じ思いに苦しむのだろうか。
それならいっそ、愛されていたと自惚れたまま死んでいった方が幸せだった。
結局私は昼餉を告げに来た主殿に呼ばれるまで、泣き疲れ眠り続けた。
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朱雀月夜(プロフ) - 夢主ちゃん可哀想…。ハッピーエンドを願ってます!更新頑張ってください! (2021年11月4日 20時) (
レス) @page27 id: feded0a453 (このIDを非表示/違反報告)
乱 - ………三日月！何故夢主ちゃんの方へ行かないのよ！貴方は夫婦だったんでしょう？審神者無理………です……… (2021年1月1日 2時) (レス) id: 0830061a27 (このIDを非表示/違反報告)
菫乃レノン @元ゆき桜(プロフ) - 三日月は1度逝ってね、審神者はもうかえならないでね！これからも応援してます (2020年10月18日 0時) (レス) id: 9417010afe (このIDを非表示/違反報告)
アニオタちゃん - 間違えて二回書き込んでしまった（´・ω・｀） (2020年1月24日 0時) (レス) id: 8da926b67e (このIDを非表示/違反報告)
アニオタちゃん - この作品好きです！更新頑張ってください( ・∇・) (2020年1月24日 0時) (レス) id: 8da926b67e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜桜月 x他1人 | 作成日時：2018年12月4日 19時
