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……何百年と待ち焦がれたあの時間は何だったのだろう。
宗近様が会いに来られなくなった日から、私はどんな努力でもした。
幸い、私のいた所は色々な人間が行き交うところだった。
人の子を見、話を聞き、舞や箏も喜んで貰えるかもと練習した。
結局、一度足りとも披露することはなかったけど。
私が醜いから、何も出来ないから。
だから、会いに来てくださらないのだと、自分に言い聞かせていた。
私よりも魅力的な女は沢山いると思う。
でも、大丈夫。
宗近様は私だけを愛すると言ってくれたから。
だから、その言葉だけは疑いたくなかった。
何百年会えなくても己を磨き、待ち続けた。
その結果がこれか。
他の見目麗しい武器でもなく、普通の人の子。
何も持たず、少しのことで死んでしまう弱々しい生き物。
か弱い人の子に私の刀としての人生全てを否定されたような気がした。
…私の中にはあの醜い感情が宿っている。
人由来の、醜い醜い嫉妬だ。
「…どうかしましたか？主殿」
だけど……私は嘘を振り撒く。
目の前の人の子と同じ感情を抱いておきながら、私は何も知らない振りをして、心の闇を笑顔で隠す。
主殿は『私が女士だから驚いただけ』と言っていたが、その後の笑顔が引きつっていたところをみても、嘘をついているのは明白だった。
「えっと……じゃあAちゃん。とりあえずこの本丸を案内しようと思うんだけど……」
主殿が言い淀む。
今この場にいるのは宗近様だけだ。
恐らく主殿は私と宗近様を二人にしたくないのだろう。
いや、話すことさえ拒む……か？
「別に宗近様でなくても大丈夫ですよ？」
主殿と宗近様の関係が分かっても、いや分かったからこその私の最後の悪足掻き。
夫婦刀の私にしか呼べない『宗近』という名前。
親しさの象徴のようなもの。
まぁ、今の一言で主殿の地雷を踏み抜いたのは間違いないだろう。
主殿の顔が先程とは比べものにならない程歪む。
主「いや、『宗近』でいいです。宗近、Aちゃんの本丸案内宜しくね！」
主殿はそう言うやいなや、足早に鍛刀部屋から出て行った。
主殿が私に対抗心を燃やしたのは一目瞭然だった。
一方、言われた側の宗近様は頬をうっすら赤く染め、固まっていた。
本当にずるいと思ってしまう。
私が『宗近』と呼んでも、貴方は妻である私にさえ、そういった姿を見せないでしょう。
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朱雀月夜(プロフ) - 夢主ちゃん可哀想…。ハッピーエンドを願ってます!更新頑張ってください! (2021年11月4日 20時) (
レス) @page27 id: feded0a453 (このIDを非表示/違反報告)
乱 - ………三日月！何故夢主ちゃんの方へ行かないのよ！貴方は夫婦だったんでしょう？審神者無理………です……… (2021年1月1日 2時) (レス) id: 0830061a27 (このIDを非表示/違反報告)
菫乃レノン @元ゆき桜(プロフ) - 三日月は1度逝ってね、審神者はもうかえならないでね！これからも応援してます (2020年10月18日 0時) (レス) id: 9417010afe (このIDを非表示/違反報告)
アニオタちゃん - 間違えて二回書き込んでしまった（´・ω・｀） (2020年1月24日 0時) (レス) id: 8da926b67e (このIDを非表示/違反報告)
アニオタちゃん - この作品好きです！更新頑張ってください( ・∇・) (2020年1月24日 0時) (レス) id: 8da926b67e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜桜月 x他1人 | 作成日時：2018年12月4日 19時
