特別社員は兵庫へ護衛に行く (ページ18)

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護衛11 ページ18

やっぱりだ。

コイツ嫌い。

めんどくさい。

マネージャーになってから約一週間たった。

なんでコイツはこうも僕に何時も絡んでくるんだｯ!!

「聞こえない？さっさとソレ渡しなさいよ。社内的に殺されたい訳？」

『やだね』

「はぁ？何、アンタ。まさか私に逆らうつもり？」

『“つもり”どころか逆らう気満々なんだけど。しかも何アレ。小さい頃の方が性格悪いですってオーラ隠せてたんだけど。演技下手くそになったんじゃない？』

「幼馴染みみたいに話しかけないでくれる？気持ち悪い。そもそもアンタなんか見たことも.....」

花夏がいっている事を遮るように僕はこう答えた。

『“柑崎”』

ソレを聞いた花夏が驚いた顔をする。

「ｯ...なんだ。アンタか。
んじゃ私マネージャー辞めるわ」

『は』

おい、待て。なんでそうなる。

演技どころか頭も悪くなったのかコイツは。

「なってないわよ」

『なんで分かるんだよ。気色悪ぃ』

「声に出てた」

何を言っているんだコイツは。

声に出ていた？

そんな訳がない。僕は口を動かさなかった。

じゃぁ、なんで分かった？

なーるほーど。異能力か。

『未来予知の異能力....美しき鳥籠...』

何日後の確定した未来を予言出来る異能力..最高じゃないか。

よし。そうなったら触れよう。

『ねぇ、花夏....？』

「あぁ？な、によ....」

ﾌｯ...来た。

目を丸くして驚いて硬直している花夏を余所目に僕は花夏の両手をギュっと自分の顔の前で握る。

『....折角久しぶりに会ったから..えと....れ、連絡先とか..交換したいな～って....』

顔の角度は8度ずらす。
僕は今机に凭れている状況だから追加で上目遣い。
そんで、目をうるうるさせたら.....

もう少し。もう少しだ。

あと数秒....

5...

3...

0...

僕の支配下の異能力が増えた。

「ｯ、い、.....良いわよ」

んふふふふ....やっぱり..。
顔の力って偉大だねぇ.......女子にもこの方法が効くなんてねぇ......よし。次からコレ使お。

『本当！！？ありがt』

そんな事を話していると北さんがこっちの方を覗きに来た。

「ちょっと遅いで」

『すんません!!あと、花夏がマネ辞めるってよ』

そう言うと宮侑が飛び出してきた。

「花夏マネージャーやめるん！！？なんでや！？」

なんだコイツ。こう言う顔の奴が好みなのか。

弱み一つゲットだぜ。