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ラウールが教えてくれた俺の地元のイルミネーションスポットは、都心から電車で20分ほどかかる。
そんな遠い場所、もしかしたら康二はもういないかもしれない。
大学とか家に戻ってるかもしんない。
そもそもラウールが言ってたことも保証できたもんんじゃねぇけど。
それでもなんとなく、康二がここに来てる気がした。
電車を降りて、懐かしく見知った街を迷うことなくまた走り出す。
息が切れても周りの人に不審な目で見られても関係ない。
こんなの、今までの康二の苦しみに比べたらなんてことない。
康二の心中を考えるだけでこっちも胸がズキズキして、これを癒すにはやっぱり会わないとダメなんだと思うから。
『っはぁ、はぁっ…』
“…翔太くんっ！”
あのふにゃっと笑う笑顔が見たくて、
抱きしめた時の温かさを感じたくて、
とにかく今、愛しいと思う康二に会いたくて。
無我夢中で走って、駅から少し離れた閑静で小さな並木道にたどり着いた。
整備されたレンガ道の両端に沿って並ぶ高木がオレンジ色のライトで照らされていて。
まるで高く伸びた木そのものから発せられてるみたいに、それは優しく温かみを感じる光。
そして照らされたその道の先に、カメラを持って見上げる小さな頭がひとつ。
『っ康二、！！』
ゆっくりと振り返る背中。
そこにはずっと逢いたかった康二がいて、
遠くて近い、その距離5メートル。
自分の想いが、気持ちが、全部胸に込み上げて体中がぶわぁっとあつくなる。
「…なんでここ、」
『康二っ、ごめん、ほんとに今までのこと全部…ごめん…』
驚く康二に説明する余裕も、冷静になれる自分も持ち合わせてなくて。
ここにあるのは、溢れてごぼれそうな康二への想いと、
「…しょうたく、
なんで泣いてるん…？」
『…あ…、』
頬に感じる冷たい感覚に、あぁ泣いてるんだって気付いて。
冬の風にあたって一層冷たくなるそれを裾で拭おうとするよりも先に、
頬に何かが当てられた。
「…あかんよ、強くこすったら。」
同じ身長、同じ目線の目の前まできた康二がそう言って、俺の頬にはハンカチが添えられていて。
『…こ、じ、』
ふわっと香る康二の甘い匂いに頭がくらっとする。
そう思えばもう考えるより先に身体が動いた。
目の前の小さな身体を自分の胸の中に引き寄せて、ぎゅうっと抱き締めた。
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雪 .(プロフ) - ポンさん» ポンさん初めまして。暖かくて優しいコメント頂きありがとうございます。なんと…！私の作品がポンさんの心を少しでも動かせているなら本当にとても嬉しいです（ ; ; ）貴重なご意見もありがとうございます。参考にさせて頂き、次回作も楽しんで貰えるよう頑張ります！ (2022年4月17日 23時) (
レス) id: 11c8e42471 (このIDを非表示/違反報告)
ポン - はじめまして！主様のお話を拝読してなべこじの沼に落ちました！もう何度も何度も読み返しております。日頃こういったコメントをお送りすることがないので不慣れで申し訳ありません…！もしも機会がありましたら、主様のなべこじをこれからも拝読したいです！ (2022年4月17日 20時) (レス) id: c40218ffb2 (このIDを非表示/違反報告)
雪 .(プロフ) - 比呂さん» 暖かいコメントありがとうございます…！なべこじ担に楽しんで貰えるように制作したので、優しいお言葉頂けるととっても嬉しいです(^^*)私も大学生なべこじが大好きマンなので、続編や新作なべこじ作るカモです…！大きな励みになる言葉をありがとうございました！; ; (2022年3月15日 22時) (レス) id: 11c8e42471 (このIDを非表示/違反報告)
比呂(プロフ) - バレンタインの番外編も何度も読み返してます。康二くんの描写も可愛いし、両思いまでの二人のところもあまりに切なくて。最後は素直に伝える翔太くんもかっこよくて。とにかく大好きです。突然長々とすいませんでした。 (2022年2月23日 22時) (レス) id: a496cb4725 (このIDを非表示/違反報告)
比呂(プロフ) - はじめまして。ぜんぶクリスマスのせいを何度も何度も読み返している者です。なべこじ担の私ですが、このお話でなべこじのお話を読むことにハマって今でも一番好きなお話です。→続きます。 (2022年2月23日 22時) (レス) @page46 id: a496cb4725 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪 .
| 作成日時：2020年12月12日 16時
