ぜんぶクリスマスのせい

12/23 Wed. ページ33

『ん…、』


カーテンからの眩しい光とインターホンの音で目が覚める。

ベッドにはひとり、暖房なんかついてるはずもなく。



『…なんじ…、』



開いたスマホには12：50の文字。

こんな時間まで寝ていた自分に驚くけど、鳴り続けるインターホンがあまりにもうるさくて重い身体を起こして玄関に向かう。



もしかして、もしかしたら康二が来たのかも、
少しの期待でドアを開けるとそこにいたのはふっかと照で。



「よっ！」



『…なに。』



「あは、そんなあからさまにガッカリすんなよ〜！

昨日学校来なかったから心配して来てやったんだって！」



「…翔太、顔色悪くね？

飯食ってる？」



『あ、飯…最後に食ったのいつだっけ…。』



「はぁ？ちょっとどしたの。

失恋でもした！？康二くんにフラれた！とか！」



そう言って能天気にソファーにどかっと座るふっかに何も言えなくて黙り込む。



「…え、まって、図星？」



『…フラれたっていうか、フったっていうか。』



「は？なんで？なにしてんの翔太。」




『…康二に、罰ゲームのこと、気付かれてて、』




「…え？」



『そんで…』





“…最低やん、しょうたくん。”




康二の言葉が頭の中にこびりついて離れない。


思い出す度に、心がえぐられるみたいで。





「…翔太、」



『分かってる、悪いのは俺で、これは自業自得なわけで…』



そう、ぜんぶ俺のせい。

しょうもない罰ゲームに乗っかって、康二にずっと嘘ついてて。



最後の康二の悲しそうな苦しそうな顔を見て、自分がどれだけ最低なことをしたのかをやっと痛感したんだ。




『…康二に合わす顔もないし、会っても多分…また傷つけるだけだし…』



「…それで昨日学校来なかったの？」




小さく頷くと、隣にいた照がわしゃわしゃと俺の髪を撫でた。



『わっ、』



「…翔太ってほんと、恋愛下手だな。」



『っ…、』



「ほんとに好きな人には、誠実でいなくちゃいけねぇんだよ。」



『…照、』



「ま、そもそも罰ゲームとか計画した俺らにも責任あり〜ってことで！」



そう言ったふっかが俺の腕を掴んで引っ張る。



『は？ちょ、どこ行くの、』



「どこって、学校でしょ。

翔太を今日のサークルに呼ぶために来たんだから、俺ら。」



「一応翔太の生存確認も兼ねて、ね！」




前はふっか、背中は照に押されて抵抗する間もなく家を出る。

２日ぶりに当たる冬風がいつもより冷たく感じた。

＊→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す