ぜんぶクリスマスのせい

12/18 Fri. ページ26

「それって仲直りしたの俺のおかげってことじゃん！

感謝しろよ翔太ぁ！」


『あーはいはい。』


隣のふっかを適当にあしらいながら、いつもの４人で軽く準備体操。


クリスマスまであと一週間でもサークルはしっかり活動中。
ちなみに来週のクリスマス当日は休みになっている。さすがにそれは、ね。



「仲直りって、翔太たち喧嘩してたの？」


「そうなんだよ舘さん！翔太が大人げなくてさぁ！」


「うるせぇふっか、練習すんぞ。」



呆れた照がふっかを連れて既に集まるサークルの輪の中に入る。



ちなみに俺らの練習場所は学内の芝生広場みたいなとこ。

学内の中央にあるから他の学生に通りすがりに見られることもしばしば。


最初は恥ずかしかったそれももう三年目ともなれば慣れたけど。



サークル内でも実際に踊る人数でチーム分けされていて、俺らはいつもの４人で踊ってる。



「あの、渡辺くん…！」


『ん？』



振り向くと年下の違うチームの女の子。

えーっと…なんだっけ名前。えーっと。



『…マユちゃん、だっけ。どうした？』


「あ、えっと…次の大会で私たちのチームもアクロバット挑戦することになったから教えてほしくて…！」



『あー…。』



真っ赤な顔のマユちゃん。


面倒くさい。そういうのはふっかに聞いてくれ。

そう思ってふっかを見ると、別の女と上機嫌で絡んでいる。


涼太と照はもう自分たちの練習始めてるし。



…俺しかいないじゃん。あー面倒くさい…。



『…分かった。ポイントだけ教えるわ。』



そう言って短く説明して実際に教えていく。


アクロって教えるのはいいんだけど女の子の補助とかしにくいんだよなぁ。

触る場所困るし補助のつもりで助けてんのに惚れられたりでもしたら面倒くさすぎるし…。



…ほら。今も嬉しそう。




『…あとは今日やったことをやり込むことと、誰か１人は補助に入ってもらうこと。
それと怪我しないように柔軟とかこまめにしときな？』



「っはい！ありがとうございます…！」



『はい、じゃあ俺戻るね。』



可愛くて小さい、顔もいい。

それでいて多分この子は俺のことが好き。


前だったらこんな子、すぐ食べてたんだけどなぁ。




『…はぁー、康二に会いたい…。』



空に向かって呟いても、白い息になって消えるだけ。





「翔太ぁ〜！康二くんいるよ〜！」


『っえ！？』




ふっかの叫び声に反応して見ると、ふっかがカメラを持った康二の肩を抱いていた。

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