恋人以上、恋人未満 Ⅳ【番外編】 (ページ1)

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また一歩からページ1

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リクエスト

〈若藤さん、だいぶ体重落ちちゃってますね〉

渡辺「ずっと家でもベッドで横になってます、
ご飯も食べても一口とかでもういらないってしちゃって」

〈そしたら、ちょっとしばらく入院しましょうか〉

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Aがまた襲われてから、通院の頻度が上がった。

前回と違うのは、付き添いが俺1人じゃなくて
涼太も来てくれるようになったこと。

前と比べ物にならないくらいにパニックが悪化して、
A1人にしておけないから涼太も毎回来てくれてるし、
料理できない俺の代わりに毎日ご飯作ってくれてる。

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〈若藤さんにもお話ししてみますので、
渡辺さんは待合室でお待ちください。〉

渡辺「はい」

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Aがパニックにならないように、
Aにもわかるように説明して完全に納得して状態で
進めてくれるからありがたい。

Aが看護師さんに支えられて診察室に入って行ったのを
見送ってから待合室に戻った。

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宮舘「なんだって？」

渡辺「入院しませんかって」

宮舘「それで？翔太はなんて返事したの？」

渡辺「お願いしますって、だって心配だし」

宮舘「うん」

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涼太もそれなりに検討がついていたのか、
びっくりはしてなかった。

しばらくの沈黙の後、今日の夜どうしよっかって言ってきて
涼太なりの愛情なんだろうなって思った。

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〈渡辺さん、宮舘さん、先生がお呼びです〉

渡辺「はい」

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診察室に呼ばれて行くと、Aの姿はなかった。

たぶんパニック起こしちゃったから休ませてもらってんだな。

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〈若藤さん、ちょっとパニック起こして疲れちゃったので
今隣のお部屋でお休みしてます。
看護師がすぐ近くで見てますのでご安心ください。〉

渡辺「ありがとうございます」

〈それで入院のことなんですが、
若藤さんにお話したところ個室じゃなくていいって、〉

宮舘「え？Aがですか？」

〈はい、お仕事のこともありますし、体調も考えて
個室の方がいいと思ったんですが、相部屋でいいって〉

渡辺「理由なんか言ってました？」

〈渡辺さんたちに迷惑かけちゃうから、
相部屋で他人の目が合った方が気が張ってて
パニックにもならないで済むって言ってました〉

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