私のお隣さん (ページ5)

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「え！プリンじゃん！！笑」

一々見せてくれる笑顔に安心する

ほんとに良い人なんだなぁって実感

『あと、クリーニング代渡しますいくらでした？』

「いらないっすよ！プリンで充分ですから」

と、プリンを愛おしそうに見る

そんな好きなのね、プリン

良かった、松村のアドバイス聞いといて

『ありがとうございます…

ほんと申し訳ありませんでした！

じゃあ、失礼します』

また軽くお辞儀をして、家へ向かおうとすると

「ぁ、下の名前なんて言うんですか！」

『ぇ？ Aです、？』

「俺のこと、樹って呼んでください」

『？？？はい、？』

「じゃ！」

すっごくフレンドリーな人

人見知りとかしないんだろうな

それより気になったのは、

バニラの香り。

あー、嫌だな

甘い匂いってやっぱり好きになれない

家に帰ってから

ご飯を食べ、お風呂に入り、

少し冷たい布団の中に潜って寝る体勢をとる

ん？

なんの音？

隣の部屋からだろう

ギシギシと音がする

そっと壁に耳を当ててみた

" んｯ、じゅりｯ … "

あーー、最悪だ

ていうか、彼女居たのね

あんなフレンドリーで優しい人ならモテるか

そりゃそうだ

それにしても、音が気になって眠れない

明日も早いのに、全然寝れない

てか、私っていつから恋愛してないんだろ

あの事あってから、男の人に触れる事が

恐怖になっていた私には

人を好きになることが出来なくなっていた

ゆっくりでいいよね、

そう、誰も急かしてなんて居ない

自分のペースで、いいんだ。

思い出すといつも自分に言い聞かせる

だって、自分で言い聞かせなきゃ

誰も私の話になんて興味ないんだから

昔を思い出していると、

気がついたら夢の中に居た

" ほら、おいで "

" 大丈夫だから、 "

" ずっといっしょに居よう "

" お前なんか好きじゃねぇよ "

" え、誰だっけ？ "

" まじで意味わかんねえ＂

『 … ｯ、 … 』

目覚めの悪い朝

汗でベタベタの身体をシャワーで流す

今日も頑張ろう

今日も自分らしく居よう。