私のお隣さん (ページ38)

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38' ※ ページ38

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「なぁ」

『ん？』

「もう1回」

『いや、明日仕事なんだけど』

「いいじゃん」

私の言葉をちゃんと聞いていたのか

分からないまま、

口を塞がれ

指が絡まる

彼の体温が身体に染みて

ゾクゾクしてしまう

チクリと痛む首筋

印を付けたがる樹に

なんだかもどかしさを感じる

『付けんの好きだよね』

「嫌なん？」

『いや、別に … ｯ』

「余裕そうじゃん」

私の上に跨り

さっき着たばかりのブラを外され

シーツを引っ張られる

薄暗い部屋でも

やっぱり恥ずかしくて

手で隠そうとしても

彼が制御して動けない

身体を舐め回され

擽ったい感覚に溺れる

樹の息遣いが耳に届き、

更に体温が上がる

無言で突き続ける樹

時々キスをしてくれたり、

好きって囁いてくるのに、

今日はなんだか違うみたいで

余裕が無さそう

突かれる腰に一々声が出てしまう

それでも今だけは彼に気持ちを伝えても

伝わらないんじゃないかって思って

樹が私に抱きつき、

距離が近くなったのを見計らって

背中に手を回し、

『 … 好きｯ』

なんて、

私にはやっぱり言えなくて

息遣いや、

ベッドの軋む音

私の漏れる声

肌と肌がぶつかる音

全てが雰囲気を作り出す

背中に回した手を更に強く回すと

彼の動きが少し止まり、

更に腰が早くなって、

彼が私の顔を眺める

余裕がなさそうに見えるとか、

そんなの私が勝てるはずがない

逝きそうになる顔なんて見られたくなくて

手で顔を隠そうとしても、

すぐ彼の細い腕が押さえつける

ニヤついた顔のまま、

自分だってほんとは限界な癖に

同じスピードのまま、

肌を打ち付け合う

同時に果てた私たちは

ゆっくりと見つめあって、

今までのキスとは違う

甘くて、切なくて、

なんだか、苦く感じた

私の頬を撫でる樹

こんなに幸せでいいのかなって

心に問いかけてしまう