私のお隣さん (ページ32)

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指定されたカフェで

珈琲を飲みながら彼を待つ

ざわつく胸、震える手

何を話されるのか、

何を聞かれるのか、

その恐怖で押し潰されそう

暖かかった珈琲も温くなり

少し一息つくと

扉のベルが鳴る音

視線の先は、

高校の時より、少し大人びた彼だった

「来てくれたんだな、有難う。」

と、私の向かいに座り

ホットカフェラテを頼む

なんて返すのが正解かわからず、首を横に振る

緊張のあまり、珈琲を持つ手が止まらない

「 … 元気、してた？」.

邪魔そうに前髪を触り、

私の顔色を伺いながら聞いてくる

『 … うん、それなりに充実してるよ】

「そっか、仕事は、？」

『頑張ってる、』

「そっかそっか、」

沈黙が挟まれ、

お互いが気まずさに息を呑む

あまりの静けさに、

扉のベルに過剰に反応してしまう

「あれ、慎太郎！？」

と、ドタドタと近寄ってくる高身長の外人

「こんな所で何やってんだ～！！！

ぁ、…… デート？」

大きな声でAHAHAHAと笑う次は

控えめの声で私をちらりと見る

「ちげーよ笑高校の先輩。

ジェシーもうあっち行けよ、」

呆れた様子の慎太郎は

立ち上がってジェシーくんという人の背中を押す

愉快な人だな、

チラチラ私を伺ってくるのを確認して

少し会釈をすると、

嬉しそうにGAHAHAHAと笑った

「ごめん、うるさくて

あいついつもあーなんだよ」

何て言ってるけど、

なんだかんだ好きなんだなってのが伝わって

少し笑みが零れる

場の雰囲気が良くなった頃を見計らって

慎太郎は1枚のハガキを私の前に差し出した

宛名は慎太郎で、

差出人の名前は表には書かれていない

気になって、裏面にすると

あの頃と変わらず綺麗な笑顔で移る

先生。

その隣に居る、ロングヘアの女の人

その2人を繋ぐ、小さな男の子

文字を読まなくても写真だけで

慎太郎の言いたいこと全部が読み取れて

私は彼が望んでいる通り、

彼に笑いかけた