私のお隣さん (ページ30)

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寒さを感じ目を開く

カーテンの隙間から見える朝日

まだ肌寒い気温に

身体が少しだけ震えていた

見覚えのある部屋

感じたことのある隣の温もり

繋がれていた指を解き、

ばらまかれた服に手をかける

彼が起きないようにゆっくり動き、

彼の額に軽くキスをして、

私は隣の自分の家へ移動した

こんなこと良くない

そうわかっては居ても、

特有の腰の痛みと

鎖骨に付いている真新しい赤い華

一つだけ色の薄い華

私の淫乱さが伝わる

忘れるなと言わんばかりに

私の脳裏には

昨日の樹との行為が

頭を過り、眠気を覚ます

出張明けの今日は

会社のお休みを頂いている

もう一度眠りの中へ

ベッドに入って身体の位置を整えると

寝るなと言わんばかりに鳴るスマホ

こんな朝っぱらに何

少しイラついた頭で

スマホに手をかけた

『 … もしもし』

声をかけても無音

『もしもーし… 』

イタ電にしてはタチが悪い

電話を切って深い眠りに着こうとすると

" … A 、？ "

聞き覚えのある小さな声で名前を呼ばれ

眠くなった私の頭がサイレンを鳴らす

なんで現れるの

どうして分かったの

疑問と焦りで混乱する頭

『 … なんで、？

慎太郎 … ｯ、』

5年前

森本慎太郎

高校の後輩で、サッカー部の人気者

そんな彼は私を好きになってくれた。

「俺、歳下だけど Aのこと

幸せに出来る自信あるから」

今考えるとませた高校生だなって思う。

それでも、

人気者の彼に告白されるなんて

考えても見なかった私は、

彼の告白を断った

私は学校のほとんどの人から冷ややかな目で

見られるようになって

女の醜い争いに付き合わされることにもなった

そんな時、

私を助けてくれたのは…

校舎の南棟3階

階段を右に曲がって

薄暗い廊下の隅の部屋

重たい扉を開けると、

『 … 京本､先生ｯ』

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