私のお隣さん (ページ27)

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油断したのが悪かったのか、

いや、これは強引だ

私の目の前にある、

松村の顔と天井

この状況を把握しないと。

なのに、

胸が騒いで落ち着かない

掴まれた腕に熱が籠る

彼の顔が私の右にずれ

「はやく俺のこと好きになってよ」

と、耳元から松村の吐息混じりに声が

首に痛みを感じ、

くすぐったく身体が反応する

松村の唇の感触が、

首筋

耳

頬

額

様々な所から感じる

早く終わってほしいと思うよりも、

大きく音を立てる心臓を

どうか聞こえないでくれと願う。

私の唇に触れることはないその感覚に

なんだかもどかしさを感じ、

下唇を噛んだ

松村の1つ1つの行動が

私の頬を熱くさせて、

部屋には時計の秒針と

リップ音だけが響く中、

まるで、私を味わうように、

いくつもの場所に

接吻をする松村。

抵抗をしない私に、

『止まんないけど、？』

ほんとにずるい人

トロンとした目が私に向かれ、

掴まれていた手は、

ゆっくりと指を絡ませてきた

このままだとほんとに…

深く考えてしまった私を

松村は黙っているはずはなくて、

『うそうそ、ごめん

俺、シャワー浴びてくるわ』

と、私から手を離し

そそくさとシャワールームへ行ってしまって

それでも私の心臓はすぐには収まらなくて

手に残った松村の熱

身体に触れられた松村の唇

上から見上げられた、

松村の大人っぽい顔

息使い、手の仕草

全部が色っぽくて

思い出しただけで更に早くなる鼓動

鏡に映った私の顔は赤くて、

それよりも、

見えるか見えないかの位置に着いている

首筋に残る赤い華、

久しぶりの感覚に

頭がついて行かない

今がどうしてこういう状態なのか、

それすら、まともに考えられない

このまま私は松村のされるがままなのか、

そんなことまで考えてしまって、

気付いた時には

もう深い眠りに着いていて

もういっそ

このまま起きなくてもいいんじゃないかと

考えてしまうほど、

私の頭の中は、

松村のことでいっぱいだった。