私のお隣さん (ページ17)

今日:19 hit、昨日:6 hit、合計:190,223 hit

17' ページ17

・

「松村さんとなにがあったの？」

急に立ち上がり

私の隣に座る

じっと顔を見る樹

急に距離が縮まって

2人だけの世界を感じ

恥ずかしくなり、目を離す

『別に、大したことじゃないし、』

「なら、ちゃんと俺の顔見て」

逸らした目をまたゆっくりと戻すと

「ほんとに大したことじゃないの？」

『 … 』

「ほら、図星じゃん」

と、テーブルに肘をつき顔を置く

樹の一つ一つの言葉や行動が

私の心を驚かせる

それは酔ってるせい？

きっとそうだ

だからこんなに

樹を意識してしまう

『なんかあっても樹には関係ないじゃん』

強がって大人ぶった

お酒を喉に通して気を紛らわす

「ふーん、」

すると、急に視界が変わった

「こういう事とかされたの？」

「こういう事とか、？」

床に押し倒され、

手を繋がれ、離れることが出来ない

鼓動がどんどん早くなって

樹から目を離すことが出来ない

「もしかして、こういう事も？」

ゆっくりと近づいてくる樹の顔

頭が働かない

私の体、動け

動かないのは、どうして

「ほら逃げないなら、チューしちゃうよ？」

ニヤって笑う樹

もうどうにでもなればいい

後悔したなら、酔ったせいにすればいい

『逃げられないようにしてるんじゃん』

と、少し自分から距離を縮めた

あと数センチで届いてしまう

「後悔すんなよ」

あまりの低くてオスな声に

心臓がさらに早くなる

緩められた手を自分から離そうとしなかった

いや、できなかった

離れたくない

そう思ってしまった

ドキドキする雰囲気の中、

聞き覚えのない音が聞こえて

「 … ﾁｯ」

舌打ちをして、私から離れる樹

樹はスマホを手に取り

私の頭を少し撫でて

スマホを耳につけた

「もしもし、後でにしてくんね？」

樹の会話が聞こえてくる

背中を起こして、

自分のしていた行動が恥ずかしくなった

顔が熱くなるのを感じる

さっきまで繋がったいた手に

感覚が残っている。